水城さんは、唇を離して僕のパジャマを脱がせると、とうとう僕を裸にしてしまった。
自分も裸になって、じっと僕の身体を抱きしめる。
温泉で見た時より白い肌が艶めかしくて、僕はブルリと戦慄した。
怖い、ただの友達だと思っていたのに、何かいけないところを越えてしまいそうで怖い。
こう言う時、僕は、いやだと言わなきゃいけないのかな。
心は震えているのに、僕の身体の熱は全然引かない。
抱きしめられると、余計カッと燃え上がった。
それでも心の方が勝って、思わず肩を揺らしてあらがってしまう。
水城さんが身体を離していつもの笑顔で、僕の頭を撫でて背中をポンポンとあやすように叩いた。
「大丈夫、大丈夫だよ。落ち着いて、僕に任せて」
「うー、うー、」
涙がポロポロ流れる。
怖くてタオル顔に押し付けうつむいたまま、水城さんの胸に怖々もたれかかると、ギュッと抱き留めてくれる。
人の肌が、水城さんの肌が、密着する。
こすれると、乳首が当たってビンビンになる、恥ずかしい。
ああ、、でもなんて優しくて温かいんだろう。
バスタブに入り僕を抱えて横たえると、身を起こして僕を見つめた。
僕のチンチンは、元気なままピンと立っている。
恥ずかしさにタオルで顔を隠して眼だけを出す。
うつむいて見ると、彼のペニスも立っている。
僕はそれに怖々手を伸ばし、こすってお返ししなきゃと思った。
でも、水城さんが微笑んで首を振り、その手を止める。
狭いバスタブの中、覆い被さると僕のお腹を撫でて、はち切れそうに立ったままのペニスをグチャグチャに揉んでくる。
「うっ!あっ!」
「しっ、隣に聞こえちゃうよ」
「だって」
気持ちいいんだ、何しても気持ちいい!
水城さんの手が優しすぎて、興奮が引かないんだ。
僕はまたタオルを噛んで、必死で声をこらえる。
ふう、ふう、ふう、自分の激しい息づかいの音だけが響いて、妙に静かだった。
水城さんが僕の腰を抱き上げ、2人のペニスを合わせると一緒にこする。
「んっぐうっ!ふう、ふう、ふう、うっ!」
うわあああ、なんかゴリゴリする。
また白いものが出て、2人のお腹を汚した。
それをペニスになでつけて合わせると、身体を上下してこすりつける。
水城さんも出したのか、2人の間でグチャグチャ音を立ててヌルヌルを広げながら、ペニスがもみくちゃになる。
「うぐうーーーっっ!!」
気持ちいい、気持ちいい!!ああーーーーーー!!
アゴが上がって身をそらす。
なのに、全然身体のほてりがおさまらない。
お尻がヒクヒクする。
何か、何かがどこかに欲しい。
おさまらない。
欲しい!
水城さんが僕の片足を上げてバスタブにかけ、壁側のもう片方を折り曲げて僕の胸に押しつける。
あ、あ、お尻だ。
男同士のセックスって、お尻でするんだ。
嫌だ、汚い。水城さんを汚してしまう。
恥ずかしい、きっとうんこの臭いする。恥ずかしい。
僕は泣きながら首を振った。
「大丈夫、最後まではしないから。きっと君はこれをしたいんだ」
そう言って僕のタオルを外しキスすると、口の中に舌が入ってきた。
ああ、これ、本当のキスだ。
口の中を舐められて、舌をグチュグチュ絡めてくる。
僕も必死で舌を絡めると、そのドロドロでざらりとした感触に背筋までゾクゾクしてくる。
チュッ、グチュ、グチュ、チュッ
いやらしい音が、僕の興奮を駆り立てる。
ああ、もっと、もっとして欲しい。もっと
出ていく舌を追いかけるように、口を開けて舌を出す。
水城さんの唾液が、ドロリと口に入って思わず飲み込んだ。
頭がボウッとして、目がトロンと溶けると、水城さんがクリームをまた取った。
「息を吐いて、力を抜いて。ほら、ここの力を抜いて」
アナルの周りを撫でてそう指示され、何度も深呼吸をして力を抜いた。
彼がクリームをアナルに塗り込め、その指がヌルンと入ってくる。
身体がビクンと跳ね上がり、初めて感じるその違和感に目を見開いた。
「はあ、はあ、はあ、はあ、」
何だろう、何だろう、なんだろう
ズズズッと彼の指が、奥に、奥に、侵入する。
そして、中でざらりと膀胱の後ろをなで始めた。
「うぐぐっ!!うぐうっ!んんがぁっ!!!うぐぅっ!!」
まるで電撃が走るように、快感が身体中を走った。
僕の悲鳴を押さえるように、また口づけしてくる。
グチュグチュ舌を絡めながら、僕はお尻の快感にビクビク身体が痙攣する。
「むぐーーーっ!うぐっ!うぐっ!むーーーーっ!!」
生まれて初めてのそれに、魚みたいに身体が跳ねて、僕は自然にお尻を突き出す。
僕のペニスから、馬鹿みたいにビュウビュウ白いものが吹き出し胸まで飛んできた。
ゴシゴシ、彼の指は執拗にそこを撫で、涙がボロボロ流れてくる。
水城さんが唇を離すと、小さく囁いた。
「麻都、可愛いよ、麻都」
「ひい、ひい、ひい、んっ、ひいっ!」
ぐうううっと身体が反り返り、足がピンと突っ張る。
足の親指が痛いほど反り返り、ひいひいのどで息をしながら身体が自然に上下した。
僕は快感に翻弄されて、それだけで失神して、しばらく意識を飛ばした。
「……ぁ……と、麻都、大丈夫?」
気がつくと、ようやく僕は精液を出し切った様子で、身体中から力が抜けていた。
「……僕、何がどうなったんだろう」
「さあね、男はたまにこうなるのさ」
彼がボンヤリと見つめる僕の額に軽くキスすると、水を僕の股間にシャワーで掛ける。
冷たさに震え上がりながら、僕の性欲はようやく暴れるのをやめた。
僕らはその後身体を綺麗に流し、そしてまたベッドに入ると、疲れきってようやく眠った。
翌日は何も変わらない様子で、2人で朝ご飯を食べに行き、普通におしゃべりしてお土産を買って新幹線に乗り、それぞれ家に帰っていく。
普段とちっとも変わらない様子で、それでも世界は少し変わって見えた。
水城さんのことを水城と呼ぶようになり、僕は彼と手を繋ぎたい衝動に駆られて彼の手を握る。
嫌われるかと思ったのに、それを僕が望んでいることを知ったように、会うと自然に手を繋ぐようになった。
仲が良すぎだろと友達に冷やかされたけど、彼は旅行先で見失って探したことがあるから、変なクセになっちゃったよと笑って誤魔化した。
でも僕は、あの強烈な一夜が忘れられなくなっていた。
好きだ。水城、大好きだ。
僕は、この気持ちを抑えきれない。
僕は彼とセックスしたい気持ちが膨れ上がり、何度もまたしようと誘ったけど、彼はうなずいてくれなかった。
そして身体を持て余した僕は、高1の時バイトした金でアダルトグッズを買うと、アナルを自分でなぐさめ始めた。
ここに、ここにああ、ここに入れて欲しい。
あなたのが欲しい。
痛くてもいい。僕は、あなたに抱いて欲しい。
悶々と日々を暮らし、そして僕はとうとう告白した。
答えは何でも無いようにオッケーだった。
でもそれから2年、やっぱりちっとも彼は僕に手を出してこない。
会ってもゲームやアニメの話ばかりだ。
もしかしたら元から同性なんて興味が無いのか、もしかしたらあの夜、嫌だったんじゃないか、僕の真剣な気持ちを信じて貰えてないんじゃ無いかと思って、自信を失い始めた。その頃、
高3になった僕は、赴任してきた担任を見て信じられなかった。
「はじめまして、皆さん。先生の名前は、立花水城と言います」
彼は、僕の担任の先生になってしまった。