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素朴八百 朱雀
素朴八百 朱雀
素朴
文芸・その他ショートショート
2025年05月22日
公開日
6,771字
連載中
便宜上連番を振っていますが、ショートショートですので、どこから読んでいただいても構いません。 貴方の喜怒哀楽、どの感情へも全く揺さぶりをかけないことを保証します。 よろしくお願いいたします。

朱雀1

小さい頃、僕はよく一人で外で遊んでいた。自然の多い地域だったから、遊ぶ場所はいくらでもあった。


夢中で遊んでいると、ふと気づくことがあった。

雄大な山、気持ち良いせせらぎの川、そして穏やかに吹き抜ける風――。

みんな、まるで語りかけてくるように声を響かせるのだ。


キョウモ アソンデクレテ アリガトウ…!

オサカナ イッパイ トレタカナ…?

ボクト イッショニ カケッコダ…!


そして今、僕の心が汚れてしまったのだろうか。あの頃に聴こえていた声は、もう聴こえない。

だけど、あのとき自然の仲間たちからもらった声は、今でも僕の大切な宝物として心に残っている。


ニッケイヘイキンカブカガ シジョウサイタカネヲ コウシンシタラシイヨ…!

フラレタンデ コンド ノミニイッテクダサイ…!

タタミニハ チャガラヲマクト ヨゴレガ トレルヨ…!


いつかまた、あの思い出の場所を巡ってみようかな。

僕の友達である、自然のみんなに会うために。


【自然の声】

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