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お嫁入り
お嫁入り
風に乗って
現代ファンタジー現代ダンジョン
2025年05月24日
公開日
1.6万字
連載中
ある日突然に、南洋の国の王子様からプロポーズされた要子ですが、 さて、さて、、

第1話

 あまりに突然の話に、何がなんだか分からなくて、


ただでさえのんびり屋で鋭くはない要子は、頭が混乱してしまい、


二階の自分の部屋に閉じこもってしまった。      


2人の姉が、心配してるのか内心は面白がっているのだろうけれど。


「要子、、大丈夫、、?!」     




 「私は絶対、行かないから!! 


お姉ちゃんたちのどちらかが行ったら? 


そうよ、そうしてよ!」   


そこへ、両親が入ってきて、6畳ほどの狭い要子の部屋はむっとしてきた。        


「要子、ちょっとだけ行ってみたら?


で、少ししてから、やっぱりやめるって、戻ったら? 


結納金一億って言ってたでしょう。


なかなかない話よ!


予備校なんて辞めて、お嫁入りしなさい!」      


「ママは、私よりお金なの?! 


 ひ、ひどい親ね、、


聞いたこともない国よ、ファンタジー??


ふざけてる!! 


南洋の島国? 


私が食べられてしまってもいいの?  


だいたい、変よ! いつ私を見たの!? 


私を食べるつもりよ!」       


要子の両親と2人の姉は、大笑いし始め、なかなか笑いが収まらない様子で、


要子は余計に腹がたってくる。


 受験を目の前にして、必死で勉強してきたのに、


家族が家族旅行といって、みんなでカナダに行ったり、グアムに行ったり楽しんでいる時も、


1人家に残って勉強してきたのに。 


ひどい家族だと思う。


2人の姉は街の音楽教室でピアノを教えている母に似て、


美人でスタイルも抜群に良い。


反して、要子は取り得がなく、


区役所に勤めている父にも似ず、


要子は小さな頃は、自分はもしかして、貰いっ子かもと密かに考えていた。        


 「要子、突然の話ですもの、ママもパパも断ったわよ、


要子は勉強がしたいのよね、


何とかいう、数学の先生に心酔してるのよね、


だから、なかなか入れない大学に受かってるのに、そこを蹴って浪人したのよね、


よーくわかっててよ、、。


お父さんとお母さんは断ったのよ、


そこへ、お姉ちゃん達が入ってきて、


みいちゃんが、それ、私が行きますって、


そう言ったのよ、でも相手様は要子でなければダメなんですって!  


考えてみたら? 


今夜来た人は交渉人ですって、、


明後日、本人が小型ジェット機に乗って来るらしいわよ。


王様よ! 要子が王妃になるのよ! 


そんなラッキーな話ある? 


小さな国でも、王様なのよ!素敵よ! 


それにね、側室が2人いるって、、


いいじゃない? まるで江戸時代みたい!」





  …………… つづく ………………

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