要子と航はすっかり仲良くなり、航が常に胸に抱いているロボットも抱かせてもらった。
「こんにちは、ようこさん、こうをよろしくおねがいします」
と機械的な声で話し、要子は魅了されてしまった。
航は要子より年下ではあるが、世故には長けていて、ぼんやりさんの要子は学ぶべきことが多いと感じて。
少なくとも航は生い立ちが複雑のようで、会話の中に、本当のお母さんは、本当のお父さんはという言葉で出てくる。
しかし、しかし、要子は航の愛らしさに惹きつけられた。
柔らかい栗色の背中までの髪の先が、クルクルと巻いているのが、羨ましく、
チワワのような小さな顔に大きな大きな眼も愛らしく。
そのように伝えると航は笑い、
「要子さんも、同じよ!
とってもとっても愛くるしいわ!!
私、夢は王様のお嫁さんになることだったのよ!
でも、要子さんに先を越されて!!
泣いちゃったわ!!
お姉ちゃんに、あのね、本当のお姉ちゃんじゃないんだけど、戸籍上ではお姉ちゃんにね、、
諦めなさい!って言われたの。
諦めたら、きっといつか、王様以上の人のお嫁さんになれるって!!
要子さんに会って解ったの、王様が要子さんをお嫁さんにしたいのは当然だって!!
可愛いし、頭いいでしょ、
それで、一番は無欲なのね、無欲で純粋。
要子さんはきっと幸せになるわ!!
王様は立派な人よ!
あのね、私の本当のお母さんもね、王様にはとてもお世話になったらしいわ!!
研究所が出来たら、一緒に研究しましょうね!」
要子には、航ちゃんの話の半分も理解出来なく、
何か自分の周囲で運命の歯車がぐるぐると回っているのだろうなと、その位の感覚だった。
また航は大人の男と女の、それも愛し合った2人がするべき事ごとも、なんと、あっけらかんと、
要子に教えてくれ。
要子はポカンと口を開け、、それで、王様は手を出さない、待つと言ったのだと、やっとやっと理解出来た。
航ちゃんは、待つと言っても一応儀式だから、
明日、式の後のパーティーが終わったら王様とベッドを共にしたほうが良いと言い。 要子は、混乱してしまった。
(つづく)