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ー記憶ー9

「荷物はそこら辺に置いておいていいからな。後は俺がやっておくし。とりあえず、自分が食いたい分だけ出しておいてくれたらいいからさ。後、先にシャワー浴びて来いよ。どうせ、泊まる気で来たんだろ? さっき、コンビニで下着も買ってたみたいだからさ」

「あ、ああ、まぁな」


 雄介にそう言いながら、今買って来た品物を整理し始める望。


「……望」


 やっと二人だけの空間になれた瞬間、雄介は望の背後へと回り、後ろから望の体を抱き締める。


 雄介は平均身長よりかなり上で、結構身長の方はあって181cmと大きいのだから、身長175cmの望の体をすっぽりと覆うことができるようだ。そして雄介に関しては消防士という仕事をしているのだから、筋肉質でがたいもいいからなのかもしれない。


 普通、こんな時好きな人から抱き締められたら誰しも嬉しいものだ。


 しかも恋人になったばかりの二人にとっては、こうしていられるのは本当に嬉しい時間なのかもしれない。 だがまた明日が終わってしまうと、望は雄介と暫く会えないのかもしれないと思ったのか、逆に、


「離せよ……」


 と雄介のことを突き離すような言葉を無意識のうちに言ってしまっていたのだ。

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