「ほな、あの時、望が俺のこと……拒否した理由って言うのは、なんだ?」
「それはさっき言っただろ? それは本人から直接聞いた方がいいと思うぜ」
「でもな……今更……できるわけないって……いうんか……」
「望にそこは聞きにくいのか? そこはしょうがないんじゃねぇの? お前が望が電話してきた時に無視してなかったらこんなことにはならなかったんだろ? 自業自得だよ……。お前もさ、望みたく一回悩んだ方がいいんじゃねぇの? それに、もしもう、お前が望のこと考えてないのなら、俺は望のこと奪いに行くからな!」
「それは絶対にアカン!」
その和也の言葉に雄介は再び和也を睨みつける。
だが和也の方はそんな雄介に動じることなく、
「なら、ちゃんと望と話せよ。俺に望のことを奪われたくなかったらな!」
和也はそこで立ち上がると同時に、和也も雄介を睨むのだ。
「あぁ! 分かったわ! 俺が望に電話して今回のことを話し合えばええってことなんやな! ほんで、もう、お前に望が向かんようにすればいいってことやな!」
雄介の言葉に和也の方は余裕があるのか鼻先で笑うと、
「じゃあ、後はお前に望のことは任せたぜ」
「……へ?」
和也の言葉に対して雄介は間の抜けたような声を上げると、和也は雄介へと笑顔を向け玄関へと向かう。 きっと和也からしてみたら今までのは演技みたいな感じだったのであろう。 現に雄介に向かって軽くではあるが、笑顔を見せているのだから。
そして最後に雄介に向かって、
「絶対にメールなんかで済ませようと思うんじゃないからな! 最低でも電話で話し合えよ! じゃなきゃ、望に気持ちを伝えることなんかできないからな!」
和也は望にも言った同じことを雄介にも言うと立ち上がるのだ。