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ー記憶ー49

 望はリビングへと入ると、大きな息を吐き、ソファに体を預けた。


「お前も少しは休んだらどうだ? 疲れてるんだろ?」

「俺の方は全然平気やから、気にせんでええよ。それに、ほら飯の方も作らんといけないしな」

「そうか……」


 そんな雄介に自分だけ休んでる訳にはいかないと思ったのか、望はソファから立ち上がり、雄介の元へ向かう。


「なんか手伝う事あるか?」

「あー……今のところはないんかな? とりあえず、飯の用意は俺がするし、望の方はお風呂に入って来たらどや?」

「あ、ああ……じゃあ、悪いけど、そうさせてもらうな」


 そう雄介に告げると、望はお風呂場へと向かうのだ。


 望がお風呂場へと向かうと、雄介は夕飯の準備を始め、テキパキと動き回った。望がお風呂から上がる頃には夕飯の支度も終わり、テーブルの上には料理が並べられていた。


「おっ! マジかぁ!? 今日は久しぶりに手料理って感じがするんだけど! しかも、マジに美味そうだしさ」


 望の方はまだお風呂から上がったばかりで頭は濡れていて、首にタオルを巻いたままの状態で出てきた。そこで雄介は望の頭がしっかりと拭かれていないことに気付き、


「そんなに濡れた頭でおったら風邪引くで」

「いいんだよ。もう、暑いんだし、直ぐに乾くだろ?」

「……ったく。しゃーないな」


 雄介は望の首にあったタオルを手にすると、望の髪の毛を拭き始めるのだ。

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