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ー記憶ー52

 それを終えると体を休める為にベッドへと横になる。また明日も仕事があるのだが、明日明後日と仕事を終えれば、また雄介に会えることができるのだから嬉しい気持ちのまま、望は瞳を閉じるのだ。


 それから毎日ではないけれどほぼ毎日のように、雄介はいつもの場所で待っていて、望の家に行っては食事を共にし、その後には帰宅ということを繰り返していた。


 いつものように食事をしていた雄介だったのだが、今日は珍しくあまり話そうとしない。


「ごちそうさま」


 そう雄介はいつもより元気の無さそうな声で挨拶を済ませる。食事の方もいつもの半分位しか済ませていないのに、もうごちそうさまをする雄介に望は首を傾げるのだ。


「ん? お前、もう……いらないのか?」

「ああ、今日はもうお腹いっぱいやねんって……」


 何かいつもと雄介の様子がおかしいと思った望は雄介へと近付き、額へと手を当てる。


「ちょ、おい……な、何してんねん!」

「『何してんねん!』ね……」


 望は雄介の真似をすると腕を組んで雄介の事を真剣な瞳で見つめ、


「流石に俺の目は誤魔化せねぇぞ……食事しなきゃならねぇって奴が今日は食事を残すし、様子がおかしいから額に触れてみれば熱あるし……体調が悪いんだったら早く言えよっ!」

「そんなん怒らんでもええやんか……」

「怒るに決まってんだろっ!」

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