「そうやったんかぁ、それやったら、めっちゃ嬉しいわぁ。な、ほんなら、望の事抱いてええ?」
「はい? それは流石にダメに決まってるだろ?」
「ほら、汗掻いたら熱下がるって言うやんかぁ」
「それは間違った知識だな。そんなことしたら余計に熱は上がるんだよ。それに体力の方も使うだろうが。だから、風邪の時にも安静が必要な訳。それに、体が調子悪いって訴える時には体が休みたいって言ってるんだから、体を動かしてどうするんだよ」
「そうやったんか? ほなら、俺が治ったら?」
「まぁ、そん時は抱かせてやるからさ」
望の方は雄介の体を抱き締めると、雄介は望の胸の辺りに顔を埋める。
「ほんなら、おやすみ」
「おやすみ」
今日は何もなしに眠りにつく二人。
そして次の日。
望は目を覚ますと急いで仕事に行く準備を始める。
「望は行ってまうんか?」
「ゴメン! 本当は雄介の側に居てやりてぇんだけど……手術が入ってるからさ」
「そりゃ、確かに無理やんなぁ」
「ああ、そういう事だから」
望は両手を合わせて雄介に向かい謝り、部屋を出ようと思った直後、雄介に向かい、
「あのさ……雄介が良かったらでいいんだけど……ここに一緒に住まないか?」
「……へ? 今なんて?」
そう望にもう一度聞こうとしたが、望の姿は既にそこにはなかった。
「今、確か……『一緒に住まへんか?』って言うてなかったか? 望がそれでええっていうやったら……それが一番嬉しいんやけどなぁ。 それだけ、望も俺の事好きやっていう事やろうし」