二人がやっと寝付けたのは午前四時だ。
翌日。
目覚し時計の音で目を覚ましたのは和也だけだった。
自分の目覚し時計を止めると、もう一つ鳴っているのに気付いた和也は、その発信源を探す。すると、その音はどうやら望の目覚し時計のようだった。
和也はその音に不思議そうな顔をしながら、望のところに向かう。隣で寝ていた裕実を起こし、そして下へと向かって望たちを起こした。
「あー、もうー! 朝からめっちゃうるさいやんか……」
そう言いながら起きたのは雄介だった。
「とりあえず、目覚し時計で起きないお前達が悪い!」
「ああ、まぁ……そうやねんけどな……」
和也にそう言われて、雄介は文句が返せなくなった。
昨日は本当にあまり寝れてなかったのか、未だに疲れた様子だ。
「お前も仕事なんだろ? なら、さっさと起きないとだろ?」
「分かっておるって……」
雄介は体を起こし、いつもみんなで座っているソファへと向かった。
和也は雄介を起こせたが、まだ望は寝ていた。
「おい! 望!」
和也は望の体を揺らす。
「んー、まだ、眠いんですけど……」
はっきりと言葉にしていないようにも思えるが、もう少し寝かせてくれという意味なのだろう。
「流石にそんな訳にはいかねぇんだよ……起きないとまずいだろ?」
「んー……はいはい」
そうは言うものの、望がそこから動く気配がなかった。
「望!」
和也は何度言っても起きない望に呆れたのか、ひと息吐くとソファの方へと向かった。