目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報

ー天災ー99

 雄介は重たい体を引きずりながら、一歩ずつ前へと進み、やっとのことで望の部屋へと辿り着くことができた。


 雄介はドアを開けると部屋の中へと入る。


 すると三人の方はそんなに疲れた様子はなく、ソファで楽しく雑談をしているようだ。今はこういう時くらいしか楽しむ時間はないのであろう。


「お! 雄介! おかえりー!」

「も、今日はしんど……」


 そう言いながら雄介はソファへと腰を下ろすのだ。


 今日はこんなにも体がついていけなかったことを思い出す。昨日は望のことを考えていて眠れなかったからだ。


「今日も大変だったのか?」

「ああ、まぁなー……」

「そういや、今日朝起きた時、雄介さぁ、朝から疲れたような顔してたけど、昨日は寝れなかったのか?」

「ああ、まぁ……ちょっとな……色々と考え事しておったから、寝ることができんかったんや」


 雄介はそう言い、無意識のうちに望のことを見てしまっていた。


「ん? 俺?」

「あ、いや……違う、違う……」

「あ、まぁ……いいけどよ」


 そう望が答えていると、目の前にいる和也と裕実がイチャイチャしているようにも見える。


 和也は何かと裕実にちょっかいを出し、裕実の方はその度に「やめて下さいよー」と言っている声が聞こえてきているのだから。

この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?