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ー空間ー10

 望に少し笑顔が戻ったようにも思える。そして今日は飲んでやるー!! という表情だ。


 それと気持ち的にもテンションが高いようにも思えるのだが、もしかしたら無理にでもテンションを上げようとしているのではないだろうか。


 そこは和也にとって気になる所なのだが、今日は望に付いて行くと言った以上、付いて行くことにした。


 ビアガーデンへと着くと外に比べたら明るい感じがする。電飾もなのだが、人々が復興に向けてという明るい希望を持っているからなのかもしれない。


 それに今はこういう所でしか息抜きやストレス解消をしているのであろう。


 先ず二人は席に着くとビールを頼む。それから乾杯をした後に一気にジョッキの半分まで飲み干した二人。


 久し振りにこういう風に二人で呑むのは何だか楽しい気分にもなってくる。


「……で、望! 今日はこうなったら、日頃の鬱憤をぶちまけようぜ!」

「あ、ああ……まぁ、そうだな……。んじゃあ! 俺は雄介の事かなぁ?」

「言ってしまえぇええ!!」


 今は仕事の事等は忘れての二人だけのプライベートな空間。


 そして望は今まで溜まっているものがあるのか語り始めるのだった。


「まったく、忙しいのは分かるのだけどさ、もっと、もっと、電話を寄越せっつーの! それでも、俺の恋人かぁ!?」

「確かにそうなのかもな……俺なんか、裕実とはイチャイチャってしてるしな」

「ホント、和也と裕実が羨ましい位だぜ……」

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