その事を聞いて和也は廊下のど真ん中に立ち止まり何か考え始める。
そんな和也に気付いたのか、望は和也に声を掛けるのだ。
「おい! 和也! いつまで止まってんだよ! 早くしろ!」
「あ、ああ……ゴメン……!」
和也は望に早く来い! と煽られ急いで望の元へと急ぐのだ。
「な、なぁ……望? 今週末にあるその学会って、場所は大阪でなんだろ? その事を雄介には言ったのか?」
「あ、ん? まだ、アイツには言ってねぇけど……」
「そうか……オッケー! 分かった!」
そう和也は笑顔で返すと後で雄介にメール送ることにする。もし今週末に雄介がこっちに来ても大丈夫なようにする為にだ。そしてこの和也の計画ならば望と雄介は次の日まで一緒にいる事が出来るだろう。
こんなに好都合な日は滅多にある訳ではない。和也の計画は無駄にはならなかったようだ。
今日の手術は時間が掛かるのは分かっていた。お昼から始まって終わるのはきっと夜中になるだろう。
その手術を終え部屋へと戻って来た二人。だが望にはまだ沢山やる事があるらしい。
だから今日の望は徹夜になるようだ。
望は部屋へと戻ると早速机に向かう。
「今日、望はここに泊まるのか?」
「ああ、下手すると今週いっぱいはここに泊まる事になるのかもしれねぇな……」