望はそのサプライズをネタバレされてから、体から力が抜けてしまったようだった。
「なーんだ……そういうことかよ……」
そう言いながら、望は床へと座り込んでしまう。
「……って、お前らなー! ふざけんなっ! アホっ! 本気で俺は心配してたんだからなっ! マジで雄介とまた離れると思っていたんだからなっ!」
望は今までの緊張が解けたのか、膝に頭を付けて涙目で訴える。
「あ! ゴメン! って……! ちょ……あー、望のこと泣かせるつもりでやったんじゃねぇんだからよ」
望が急に泣いてしまったことで、和也の方が慌ててしまったようだ。
だが望は泣き止もうとはしない。
「な、なぁー、望! ほら、酒とか飲もうぜ!」
そんな望の状況に和也が一番テンパっているのかもしれない。
すると望は突然立ち上がり、やはりいつものように怒って部屋を出て行ってしまうのかと思いきや、
「バーカ……そんなことで俺が泣くかよ……!」
元気で明るく、泣いていないような表情を和也に見せると、食事が用意されている食卓の方へと向かう。
望からしてみれば、ささやかな和也へのお返しなんだろう。咄嗟の割には上出来だったのかもしれないと思っているのかもしれない。望は満足気な表情をして椅子に座る。
食卓に並べられた料理の数々はきっと雄介が作ったのだろう。それさえも今の望には嬉しく感じているのかもしれない。
例え、このサプライズを和也が考えたことだったとしても、とりあえずパーティまで考えてくれたのだから。
望が席に着くと、他の三人も席へ座る。
望の隣には雄介が座り、望の前には和也が座る。そして和也の隣にはもちろん裕実の姿だ。
「雄介、これ、お前が作ったんだろ?」