雄介はリビングの電気を消し望の背中を押すと、二階にある自分達の部屋へと向かう。
「今日は琉斗は地下室で寝てる訳やし、のんびり出来るな」
「あ、ぅん……でもさ、琉斗は今日、初めて一人で寝てるんだろ? いつ来るか分からないじゃねぇか」
「多分、大丈夫や。琉斗の奴、寝たら、朝まで起きへんしな」
「でも、もし、起きて来たら、どうすんだよー」
「まぁ、そん時はそん時なぁ?」
雄介は望のことをベッドの上へと下ろすと、
「望……今日は望が約束してきたんやから、約束は守ってもらうで……」
「分かってるって、ただし、もし、琉斗が起きてきたら、お前が責任を取れよな……っていう意味だ」
「大丈夫やって……」
「しかし、お前にしては珍しいよなぁ? 今日はお前の方が折れないってさぁ」
「そりゃ、我慢の限界やしな……そんな時だって俺にもあるってことや」
「そっか……」
望は諦めたのか完全にベッドに体を預ける。
「ほんなら、ええねんな?」
「ああ……。約束だから、お前が好きなようにしてもいいぜ」
「なぁ、望……その言い方だと、投げやりな感じにしか聞こえへんねんけど? やっぱ、こういうことは二人がやりたいと思わないとダメなんと違ゃうか?」
「心配すんな。俺はいつでもお前となら、やる気はあるからさ、ただ、心配なのは琉斗のことだけなんだよ。流石にこんなとこを子供に見せる訳にはいかないだろ?」
「ま、そうなんやけどな」
「もしさぁ、イく前に琉斗がここに戻って来たら、どうすんだよー。それこそ、気持ち悪くねぇか?」
「勃ったまんま寝るか……一人でトイレで抜かなきゃならなくなるのかもな」
「そんなリスクまで背負ってヤりたいか?」
「せやけど、最近、ご無沙汰やし、明後日まで望に会えない訳やし」
そう切なそうに言う雄介に望も雄介の何かが伝わったのであろう。
望は雄介に向かい両手を伸ばすとその腕を雄介の肩に回し、
「分かった……雄介がそこまで言うんだったら、俺は別に構わねぇぜ」
そして望自ら雄介の唇へと唇を重ねる。
「ほんなら、ホンマにええねんな?」
「ああ。だから、俺の気が変わらないうちに早く……」
「分かったって」