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ー決心ー43

 と、そんな時、雄介の携帯が部屋内に響き渡るのだ。


 静かな部屋に携帯の音だけが響き渡れば当然ビックリするに決まっている。一同はテーブルの上に乗っていた雄介の携帯を覗き込む。


 雄介は慌てて自分の携帯を取ると、慌てて取ったことから誰から電話の類が来たのか分からないままだ。


「はい……」


 すると相手は先程電話をした警察からだったようで、雄介は暫くその人と会話をすると話だけを聞き電話を切る。


「誰からだったんだ? 何だか、敬語だったみたいだけど……」


 そう一番最初に問ったのは和也だ。望の性格では聞きたいとは思うのだが、和也が居れば和也に任すというところであろう。


「ああ、さっき電話した警察からだったわぁ。歩夢誘拐は事件として認定するって言うとって、警察が動いてくれるって言ってたしな」

「でもさぁ、何で、急に警察が動いてくれるようになったんだ?」

「俺が見た車のナンバーが盗難車やったんやってー」

「だからかぁ。これで、ひとまずは安心だな」

「せやな……」


 とそんな時、今度は望達の部屋のドアが開く。


 それに気付いた三人は誰も来ないであろう部屋のドアが開けば誰も注目する事だろう。三人は共にドアへと注目すると、望達の部屋に入って来たのは裕二だった。


「話は新城君から聞いたよ。歩夢が誘拐されたんだってね」


 裕二にしては慌てて来たのか息を切らしながら、望達がいるソファ近くまで来るのだ。


「ああ、雄介と帰っている時に誘拐されたらしいぜ。だから、雄介が目撃者なんだけどな」

「そうだったんだね。それで、今、歩夢は?」

「まだ、見つかってねぇよ。今さっき警察に電話して、警察が動き出したけどさ。俺ん時は身の代金要求とかがあったから何とか犯人を捕まえることを出来たけど、歩夢の時はまだ、身の代金要求とか来てねぇんだろ?」

「そうだね。 今んとこは来てないよ。今回の犯人は何が目的なんだろうか? 望の時は身の代金目的というのは明白だったんだけどね」

「って、何で、いつも俺等が狙われるんだ? 何かこの病院は恨みもたれてるのかよー」

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