「そっか……」
「そないな質問して、何か心配なん?」
「いや、別に……お前なら、友達位なら作っても平気だろうなぁーとは思ってはいたんだけどな」
「ってことは……望は俺のこと信用してくれているってことなんか?」
「んー、まぁなぁ……」
そのそっけない返事でも雄介にとっては幸せなんであろう。微笑みながら望のことを見ていたのだから。
「ま、いいや……そろそろ出ようぜ」
「せやな」
二人はお風呂場から出ると二階へと上がって行く。
そして電気を消すと眠りへとつくのだ。
次の朝、いつものように望が目が覚めると、下の方からいい匂いが漂って来る。
「相変わらず雄介の奴、起きるの早いんだな」
望は独り言を漏らすと着替え下へと降りて行くと、
「相変わらず、起きるの早いのな」
「もう、早く起きるのが習慣付いとるしな」
「そっか……。さて、ご飯食べて今日も一日頑張りますかぁ!」
「せやな……」
雄介は今作り終えた料理をテーブルの上に並べると、
「いただきます」
と言い、それに続くように望も手を合わせ食べ始める。
それから時間になると雄介は私服姿にリュックを背負うのだ。
その雄介の姿に慣れない望は口に手を当て少し吹き出す。
「なんやねん……吹き出さなくてもええやんかぁ」
「いやぁ、なんか、まだ、お前のその姿に違和感があるんだよなぁ。
いつもは制服だったしさ」
「ま、仕方ないやろー。とりあえず、俺は先に行くなぁ」
「ああ、ま、俺もそろそろ出るけどな。いってらっしゃい」
望のその言葉に雄介は望に向かい軽く手を振ると、家を出て行く。
望も鞄を手にすると、車に乗り病院へと向かうのだ。
すると今日は先に和也は来ていてソファに座っている姿が目に入って来て、
「今日は早かったんだなぁ」
「んー、まぁなぁ。って、望聞いてくれよー」
そう和也は子供のように望に向かいソファから身を乗り出すと、にやけた顔を見せるのだ。
こんな顔をされたら誰だって予想がつくであろう。最も昨日は和也と会ったのだから直ぐに和也が何が言いたいか?というのはお見通しでもあるのだから。