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ー決心ー125

 雄介は未だに息を切らしながら、ベッドの上に横になると、


「これなら、体に負担を掛けずにイけたやろ?」

「ま、まぁー、た、確かにそうだな……。でも!」


 望は半身を起こすと、


「でも! 今日はヤるなって言った筈だぞ!」


 望は雄介の方に向き、真剣な瞳で見つめるのだ。


「ま、まー、そうなんやけどな。最初に誘って来たのは望やんか……」


 そう雄介は最後の方は小さな声で突っ込む。


 それを聞いていた望は思い出したのか、今まで勢いよく言っていたのだが、


「あ……」


 と小さな声で答える。


「せやろ? 今日は望から誘ってきたんやで……」

「ま、まぁー、とりあえずさ……」


 望はそこまで言うと、自分が言ってしまったことが恥ずかしくなったのか、立ち上がり少し冷えてしまった体にバスタオルを羽織ると、


「風呂に行ってくる……」

「せやったら、俺も行くー」


 そう語尾にハートマークが付きそうな甘い声で雄介は言うのだ。


 その雄介の言葉に無言で、さっさと風呂場へと向かう望。


 その後に続いて雄介は付いて望が先に行ったであろう風呂場へと向かうのだ。


 雄介が後から入って来ても断らないところをみると、特に望は雄介が風呂に入って来ても気にはならないのであろう。


 そして二人はお風呂から上がると、望は首にタオルに巻きソファへと座る。


 望は雄介にあることを望んでいるから風呂から上がった後も髪も拭かずにそのままでいるのだから。


 その雄介はと言うと自分の髪を拭き終わりそんな望に気付いたのであろう。


「まーた、髪拭かんで何してんねん……」


 少し呆れたような言葉で言っている雄介なのだが、仕方なさそうに微笑みながらも望の首に掛かっていたタオルを取り丁寧に望の髪を拭いていく。


「スマンな……今日は上手く拭けんくて、片手しか使われへんしな」

「構わない……」


 そうぶっきらぼうに答える望だが、久しぶりに雄介に拭いてもらう感覚に幸せそうな顔をしていた。


「せや、夕飯どないする?」

「んー、お前がその腕じゃ作れないだろうしなぁ」

「まぁ、そういうこっちゃ……スマンな……腕さえ怪我してなかったら、夕飯作れたんやけど……」

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