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ー平和ー16

「要は、雄介は精神的にも煮詰まってて、他のことを考える余裕さえなかったんだろうな。俺、思うんだけど、ちょっとしたストレスっていうのは、誰かと話をするだけでスッキリすると思うんだ。だって、現に雄介が今、そうだっただろ?」

「せやな……確かにスッキリした気分になったわぁ」

「だからさ、邪魔になるかもしれねぇけど、たまに、また遊びに来るよ。そうしたら、スッキリするだろうしさ」

「せやな……」

「それと、望にも言ったんだけど、ま、裕実が望に言ったって方が正解かな? 週に一度でもいいから、息抜きに体を休ませる日を作れよ。じゃねぇと、体も参っちまうぜ。お前が倒れでもしたら、望が心配すんだろ?」

「ああ、分かった。これからはお前の言う通りにするな」

「……って、話は変わるんだけどさー。ってことは、今まであんま話さえしてなかったってことは……望を抱く暇もなかったってことなのか?」

「あったり前やんかぁ。ホンマにご無沙汰や……どんだけ望としてなかったんやろ?」

「そいじゃあ、今夜辺り……望のことを抱けばいいじゃねぇか」

「そうしたいところなんやけど……とりあえず、まずは望の機嫌を直さないとやしな」


 雄介は少し憂鬱そうにため息を吐く。


「確かにそうだ。まぁ、そこは雄介が悪いんだし、俺たちからは頑張ってくれよとしか言えねぇところだな」

「ですね。僕たちからのフォローはここまでですから。後は雄介さんが頑張ってくださいね」


 裕実は優しい笑顔を雄介へと向ける。


「せやな!」


 雄介は先程とは違い、いつもの元気な雄介へと戻ると、顔を和也たちの方へと向け、


「ホンマ、今日はありがとうな。おかげでいつもの自分を取り戻せたような気がするわぁ。俺、お前らの友達でホンマ良かったと思うとる」


 雄介の言葉に和也は軽く頷くと、


「気にすんなって。何かあった時は、いつでも相談してきていいからな。本当に些細なことでもさ……」

「ああ。これからはそうすることにするわぁ」

「じゃあ、俺たちはもう邪魔みたいやから、帰るなぁ」

「……へ? あ、ああ。今日は泊まって行かへんのか?」

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