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ー平和ー78

 和也は警察署から出て陽を見ると、陽は大分西に傾き始めていた。


 フッと時計を見ると、十六時半を回っている。


 それを見て溜め息を漏らす和也。


「もう、こんな時間か。まだ、裕実の奴、無事なのかな? あれから、あんま連絡してねぇんだけど……。裕実もだけど、望も大丈夫なのかなぁ?」


 その時、和也の携帯がポケット内で震え和也は直ぐに携帯を取り出す。


 最初、裕実からだと期待したのだが、メールの相手は雄介からだったようだ。


 とりあえず和也は雄介からのメールの内容を読むと、どうやら望は意識は取り戻した。という事だ。


 それにホッとする和也。更にそこにはまだ何か書いてあるようでメールの文章を読み進める。


「え? 雄介も裕実探しの手伝いをしてくれる?」


『望がな……「俺は大丈夫だから、和也と一緒に行動して、裕実と朔望を探して来い」って言っておるんやって……。それと、歩夢も一緒に行って来いとも言っておったしな。和也、ここは強がらんと一緒に裕実達の事探そうや。今、一番辛いのは和也やって、望も言っておったしな』


 和也はメールの文章に微笑むと、今居る場所を雄介へと伝える。


 雄介は和也からのメールを読むと、歩夢と一緒に出掛ける事を望に伝え、雄介は急いで和也がいる春坂警察署に向かい和也と合流するのだ。


「とりあえず、裕実達はこのメールに書かれた場所に居るみたいなんだよな」


 和也は雄介に携帯を渡すと、雄介は携帯の内容を読み始める。


「もう、何年も春坂市に住んでおるけど、このメールに書かれている場所と一致している場所なんてあるんかいな?」

「さぁな……。そこ俺にも分からねぇ場所なんだよな。でも、裕実達が居る場所は倉庫とかがある港の方では無さそうだよなぁ。今居る警察署からだと富士山が南側に見えているのか……となると、タワーは北側になるということは?」


 和也は裕実のメールに書かれていた東側にタワーと西側に富士山が見える位置へと移動する。


「裕実達はこの位置のままで、"仲良し公園"という公園の近くに居るみたいだな」

「そうみたいやな。って言うても上手いようにこっから道が北に続いてへんやろ?」

「まぁなぁ。でも、位置的にはこんな感じの場所に居るんだろうぜ」


 和也はとりあえず位置を掴むと、警察署に止めておいた車を出し、とりあえず北へと向けて車を走らせる。

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