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息子ひとりでも大変なのに、義理の娘が三人も加わってきた件について。
息子ひとりでも大変なのに、義理の娘が三人も加わってきた件について。
ルート・メモリー
現代ファンタジー現代ダンジョン
2025年05月26日
公開日
3.7万字
連載中
父と息子の暮らしが激変!?やってきた三人娘はケルベロスだった!! 高校生の息子と父、ふたり暮らし。 母はもういない。家族はふたりだけーーのはずだった。 ある日、謎の犬(?)を助けたことで、我が家に現れたのは「ケルベロス」の三姉妹!? クールな長女、完気な次女、無口な三女ーーなぜか彼女たちは「義理の娘」として暮らし始めることに。 ちょっと不器用な父と、思春期まっただなかの息子。 ーー傷を抱えた、ケモミミの三姉妹。 .....そしてこの物語の終盤には、"ただの日常”では終わらない出来事が待っています。 強さとは、最初から備わっているものだけじゃないのかもしれません。 "生きてきた日々”が、誰かを守る力に変わる時ーー。 最後に訪れる、静かで熱い想いも、どうか見届けてもらえたら嬉しいです。

プロローグ そして、世界は白に包まれる

月が浮かぶ夜、空が裂けた。

大地が軋み、星が泣き叫ぶ夜。



その中心にいたのは──

仮面をつけた剣士。“勇者”と呼ばれし存在。

そして、三つの頭を持つ黒き番犬。



──ケルベロス。



地獄の門を護る存在。

魔王の忠実なる使い魔。

そして、彼女たちはまだ“未熟”だった。




『妹たち、今こそ力をあわせるのよ!!』


“紅蓮”の頭が叫ぶ。

“雷光”の頭が突進し、

“蒼氷”の頭が全力の魔力を注ぎ込む。




その牙が、勇者の胸元へ突き立つ。

弾け飛ぶのは──金の鎖。


「しまっ……た──」




その瞬間、世界が白に染まった。



《ジャスティス・エクスプロージョン》


それは、すべてを終わらせる正義の暴走。

“創造主”にして“勇者”たる彼が放つ、世界改変の終末魔法だった。




咆哮が、

衝動が、

祈りが、──光に消えた。





静寂が訪れる。





しかし──

それは終わりではなく、始まりだった。




異世界へと飛ばされる、黒き番犬。

その魂に宿るものは、まだ滲むような苦い記憶と、焼け残る再生への想い。





これは、全知全能の存在に──

“努力”と”研鑽”で挑もうとする、三姉妹の物語。





そして彼女たちは、まだ知らない。

この世界が、数多の想いで交錯し、

いつか誰かの選択によって、また塗り変わろうとしていることを。




──『ケルベロス三姉妹』

第1章、開幕。


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