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第15話

※若干の性描写あり


 ベッドの上でうつ伏せになりながら聖修の声を聞いているだけでも本当に心地よい。


 うっとりとしていると洗濯機がご丁寧に洗濯が終わったよと音で知らせて来る。


 せっかく人がいい気持ちでいたのに……と思いながらDVDは一旦停止して洋服をベランダへと干すのだ。


 すると隣の部屋からは物音が聞こえて来る。そう部屋の中にいる時以上にハッキリと聞こえて来ていた。きっと向こうも窓を開けているからだろう。引っ越して来たばかりだから埃や散りが巻き上がってしまうのだから当然窓を開けながらやった方がいいのだから。


 その様子を見たかったのだけど防火扉があって流石に見る事が出来ない。


 確かに何かあった時にこの防火扉をぶち破って隣りに行ける仕組みになっているのであろうが、普段はこういった風に隣が見えないような仕組みだという事だ。


 しかしよく考えると隣りに住んでいるということは、有名人の私生活が丸見えに近いことなのかもしれない。丸見えというのか丸聞こえの方が正しいということだ。


「ま、いっか……」


 あまり覗き込み過ぎると覗き見しているのと変わりがないのだし、ストーカーと間違えられたら困ると思い、早くに洗濯を済ませ部屋の中に入っていく。


 暫く、そのDVDを見ていてDVDを変えようとした時、静かになった室内にいやらしい声が聞こえてきているような気がした。


「……へ?」


 確実に自分の部屋ではない。確かにそういったDVD見るのだけど今は聖修が出ているDVDを見ているのだから本当に俺でもないし、俺の部屋からではない。


「あ! 壁の向こう側から聞こえてきているような気がする?」


 俺は聞き耳を立てて壁に耳を付けると隣の部屋から聞こえてくる音を確認するのだ。


 有名人である聖修が誰かを部屋に呼んで、そういう行為をしているのであろうか。


 確かに今迄、聖修にはそういったスキャンダルはなかったけど、それはただ記者に見つからなかったことだけの話で実際は分からない所だ。しかし新聞記者というのは逆に凄いと思う。有名人のスキャンダルの為に張っているというのを聞いた事があるのだから。肝が座ってないと出来ない仕事だろう。


 しかしさっきから聞き耳を立てているのだけど、聞こえてくるは男性だけだ。


「あ、そういうことか……」


 男性なら誰でも分かることであろう。


 それが有名人であっても男なのだから溜まる物は溜まるに決まっているのだから、それを処理しているという事だ。


 それと同時に赤くなる俺。

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