目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報

第33話 ※微性的表現あり

 女性のように女々しいって思われるかもしれないけど、それはそれでいい。本当に俺は聖修のことが好きなんだから。


「私も君にそう思われていたのだったら、本当に良かったよ……。今日、思い切って君に……いや、尚に告白して良かったとさえ思ってる。私だって尚の事、どれだけ想っていた事か……」

「あ……」


 そう言うと、聖修も俺の体を抱きしめてきてくれる。俺の方もその聖修の言葉でやっとやっと本気で聖修が俺の事が好きなんだっていうのがハッキリ分かった。だから思わず「あ……」と言ってしまっていたのだから。


 俺の方は完全に聖修の胸の所に耳を当てていて、聖修の鼓動が早く聞こえてきている。聖修の方も胸を高鳴らせているって事だろ? だからドキドキとしているのだから。


 本当に聖修も俺に恋してるんだってハッキリと分かる。


 その胸の鼓動に俺に方も安心してくる。


「尚……」


 って、聖修は愛おしそうに俺のことを見つめて額や頭を撫でてくる。その仕草さえもドキドキしてくる俺。そして久しぶりに聞く自分の鼓動。


 最初は頭や額を撫でていた聖修だったのだけど、やがて額や頬にもキスをしてくる。


 何だか、それだけでも頭の中がほわほわしてきているような気がするのは気のせいであろうか。


 ほのかに香ってくるシャンプーだか、柔軟剤だか、香水の匂いが今はその匂いさえも俺のことを酔わせてくれた。


 その聖修の唇が触れてきて俺は目を見開いてしまっていた。


 だって本当にキスだって初めてのことで驚いてしまったからだ。いや、さっきも聖修はしてきてくれたのだけど、それはほんの一瞬だったし……。今は本格的に唇を完全に重ねてきて先程よりも長いキスをしてきているのだから。こっちの方が本気でのキスという事だろう。


 いや確かに恋人同士なのだからキス位は当たり前なんだけど……一応、俺にとってはファーストキスだったから……っていうのかな?


 聖修は髪の色に合わせてなのか銀縁のメガネをしている。だけどメガネを掛けているっていう感覚もないのか、そのメガネが俺の顔に当たらないように上手くキスしてくれたことにもビックリだった。


 キスをされて、そんなことを考えていたら、いつのまにか俺は天井を見上げていた俺。そうさっきまでベッドの上に座って聖修と話をしていたのだから。


 天井にも聖修。ポスターのね……。そして目の前には本物の聖修。


 ……って、いつの間に俺は聖修に押し倒されてたんだ?


 と気付かない位の間に押し倒されていたということだ。


 唇を堪能した後は聖修の舌が俺の首筋に降りて来ていた。


「ん……」


 って、自然に女性のような甘い声を上げてしまっていた俺。


 ……あ、変な声出た。


 AVでしか見たことはなかったけど、本当にこういうことしてる時って、こういう声が出るんだっていう事も分かった。


 しかし、くすぐったい気持ちと気持ちいいっていう思いと本当はどっちなのかな? まだ、そんなに気持ちがいいとは思ってはいないのだから、くすぐったい気持ちの方が上なのかもしれない。


 だけど聖修は性格なのか本当に俺のことを気持ち良くさせてくれるという気持ちなのか、優しく丁寧に首筋や鎖骨辺りを行ったりきたっりを繰り返しながら舌を這わしてきていた。 

この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?