初めて人にそこを舐めてもらった俺は既に限界だった。
いや正確には限界だったのに余計に限界になったと言った方がいいのかもしれない。
「聖修……もう! 本当に限界だからっ! 離……」
もう俺の方は限界過ぎて言葉もハッキリと言えなくなってしまっていた。だから途中で止まってしまったくらいなのだから。
そうだ! 聖修には俺から出てしまう白い液体なんて飲ませることなんて出来ない。いや、流石にさせたくない! だから口から離して欲しいと思っていたのだけど、聖修は全然離れようとしてくれなかった。
もしかして口の中に俺の液体が出るってことを知らないとか!?
こういうことを知らないのなら、有り得そうだ。
でも俺の方はもうイきたくて、イきたくて……限界なんだけど……。本当にこのまま聖修の口の中に俺の液体を出していいものなのかって……考えてしまっている俺がいる。
あ、でも、今は縛られていて聖修を離すことも出来ない。
でも俺の方はもう限界で……。
気持ち良さで意識が朦朧としている中、聖修はそれでも俺のムスコさんを舐めたり口に含んだりしていた。
とモノの先端部分を吸い上げられた瞬間、俺の中で何が起きたのかさえ分からなかったのだ。
一瞬にして俺の頭は真っ白になって、次に気付いた時には聖修の顔が真正面にあったのだから。そして心配そうに俺のことを見つめている聖修。
「……へ?」
「イけたみたいだね……」
「あー……」
そう言われて俺は聖修から視線を外す。そう声と一緒に出たため息と恥ずかしさで、聖修の顔をまともに見る事が出来なかった。
今の出来事は完全に自己嫌悪の状態の俺。そしてイってしまったって事で放心状態で何も考える事が出来ないと言った方がいいのかもしれない。
聖修がそう言うってことは俺は聖修の口の中でイってしまったってことになる。
……本当に有名人の聖修に……しかも口の中に出してしまった……。
本当に俺はあの有名人でアイドルである聖修の口の中に自分の欲を放ってしまっていたのだから。確かに恋人同士にならなければ、こういう行為さえ出来ないのかもしれないけど、本当にファンの人に土下座までして謝りたいくらい、今の俺というのは反省しているということだ。
そもそも俺が「イきたい」って言わなければ、聖修が俺のムスコさんを口に含むことはなかった。
そこに俺は溜め息が漏れる。
「イけたんなら良かったよ……。本当に私はこういうことに関して、知識がないからね……。だからさ、尚のこと気持ち良くさせて上げることが出来るかって心配だったんだけど」
そう聖修は本当に心配そうな表情で俺のことを見つめてくる。
……本当に聖修は俺のことが心配なんだ……。
そんな聖修の表情に今迄、自己嫌悪に陥っていた俺は何故かホッとしたような気がした。
自己嫌悪に陥ることはない。そうだ! 俺は聖修と恋人同士なんだから聖修は自分のものみたいな感じなんだから……。今はもうファンの事まで考えなくてもいいって事なのだから。聖修はもう俺のもん。聖修と俺は恋人なのだから恋人らしい事をしてもいいだろ?
そう自分に言い聞かせる俺。それに恋人同士なんだから、こういうことをしていいんだしね……。寧ろ、こういうことしない方が不健康なんだし……。
そう自分の中で気持ちを入れ替える。それに人間なんだから、前向きに考えた方がいいだろ? なら、後ろ向きな考え方じゃなく前向きに考える事にしよう。そうじゃないとせっかく聖修と恋人同士になれたのだから勿体ないと思う。