「あ、ぅん……」
もう欲に忠実な俺は聖修の言葉に素直に返事する。
だけど、やはりと言った所なのかな? 聖修は俺の気持ちいいポイントには指はくれずに、その周辺で指を動かすだけだった。
「ぁああ! もう! 聖修っ……!」
そう俺は甘えるかのようにすがるかのように聖修に向かって言うのだ。しかし俺の中での聖修とは、こんな意地悪ではなかった筈だ。もっと優しくて俺が要求すれば要求通りにしてくれていた筈なのだけど実際そうでもなかった。ま、そこはあくまで妄想の世界だったのだから現実と違うのは当たり前の事なんだけど。現実の聖修っていうのは凄く意地悪で俺が要求してもアピールしても意地悪なことしてくるというだけだ。
もう俺からしてみたら恥までも捨ててこういうことを言ったり行動にしているというのに、何もしてくれない聖修に溜め息しか漏れない。
でも体の方はいつまででも腰をくねらせ欲しいとアピールしていた。
いや欲しいというのか誘導の方が正しいのかもしれない。
それでも腰の動きだって限界がある。
それにまたイきたいのにイけないもどかしさ……。
「もう! もう!」
限界になってきている俺。その瞳には涙が溜まってきてしまっている。そう俗に言われている生理的な涙だ。体の方も限界の限界……そこの気持ちいいポイントに触れて欲しくて我慢しているからなのかもしれない。
「もう? ……どうしたの!?」
やっぱりそうだ。聖修は卑怯だ。
こんなにも欲しいとアピールしているのに意地悪気にそう問ってくるのだから。
「だから、もう! そこにあるプニプニとした所に欲しいんだってばっ!」
そう涙目のまま聖修の方に顔を向ける俺。
その顔に聖修はクスリとすると、
「もう……分かったよ……。流石に君に泣かれると可哀想って思ってしまうからね……」
どうやら俺の涙が聖修にはそう見えてしまったらしい。それはただの生理的な涙ってやつなんですけど……。本当に聖修はこういうことに関して知識がないみたいだ。だって、その涙を本当の涙だって勘違いしているのだから。
そして、いきなり俺が触れて欲しいと言っている気持ちいいポイントに触れて来てくれる。しかも突くように……。
「ぁああ! ちょ……ん……」
本当にまた頭真っ白になりそうになる俺。
そう今迄、我慢してきていたのだから余計に気持ち良かった。そう、こういう事って我慢すれば我慢する程、気持ちいいんだよね。ってDVDでも言っていたような気がする。実際、確かにそうだ。我慢した方が本当に気持ちいいように思える。それに一人でヤってないのだから、コントロールが出来ないと言った方がいいのかもしれない。一人でヤってる時というのはある意味自分でコントロールが出来るのだから、時間掛けたい時には時間を掛けて、時間を掛けたくない時には掛けないでやるって事は簡単な事なのだけど、二人でヤるとその相手のヤり方で違うのだから自分ではコントロールが出来ないという事だろう。