「ぁ……いや……大丈夫だから……。ほら、だって、いつも俺は玩具で自分でやってるからさ……」
そう言いながら俺は転がっていた玩具を聖修に向けて見せるのだ。
「あ! まぁ……確かにそうなのかもしれないけど……」
だけどまだ聖修は不安そうだ。
俺は少し考える。
だって聖修がそんな不安なまんまで先に進める訳がない。
……あ! いいこと思いついた!
「じゃあさ……聖修……見ててよ……」
そう言うと俺は起き上がり、その玩具にたっぷりとローションを付けると自分の中に入れていく。
「これで、俺の中に玩具が入るのが分かったでしょ? しかも、こんなに簡単に……」
「あ、まぁ……うん……」
それでも不安そうな聖修。
これ以上どうしたらいいのかが分からない。
「それで、腰を動かしても大丈夫なの?」
……腰を動かすとはどういうことなんであろう? ん? 腰を動かす!? ってことはこの玩具を動かしてみるってこと!?
「……って、聖修、一つ聞いていい? もしかして、この玩具を俺に使わせる為にやらせてる?」
「……もし、そうだとしたら?」
……あー! そういうことだったのかぁ!? ガッツリ、俺は聖修の罠にハマったってことだったのね……。
そこで溜め息を漏らす俺。
「それなら、そのまま、その玩具の使い方教えてよ……」
そう笑顔で言ってくる聖修。
本当に色んな意味で聖修はズルすぎる。ってことは心配そうな表情も嘘だったって訳!?
有名人って裏の顔と表の顔があるって聞いたことあったような気がするけど、聖修は思いっきり表の顔と裏の顔があるような気がする。それに加えて演技力も凄かった。
もう仕方がない。分かってしまっていても、ここまで来たらやるしかないのだから。