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第6話 :ライブデビュー1. 最終リハーサル

 ライブ当日を目前に控え、蒼鷹騎士団とルージュロゼリアはコロセッオでの最終リハーサルに挑んでいた。完成したばかりのステージは、舞台照明が美しく輝き、音響設備が完璧に整備されている。騎士たちと護衛隊のメンバーにとって、これが今までの努力を確認し、自信を深める最後の機会だった。


1. リハーサルの始まり


早朝、まだ陽が昇りきらない中、メンバーたちは集合していた。団長のレオンが舞台中央に立ち、大きな声で呼びかけた。

「これが最後の確認だ。今までやってきたことをすべて出し切るぞ!」


その言葉に、蒼鷹騎士団の団員たちは気合いを入れ、頷いた。一方、ルージュロゼリアのリーダーであるリリアンも、優しいながらも力強い声でメンバーたちを励ました。

「私たちはこれまで、剣技もダンスも全力で磨いてきた。みんな、自信を持ってね。」


リハーサルが開始されると、騎士たちの剣舞と護衛隊の華麗なダンスが見事に融合し、舞台全体が息を飲むようなパフォーマンスで彩られた。


2. 剣舞とダンスの融合


蒼鷹騎士団の剣舞は、ただの技術ではなく、一つ一つの動作が観客に物語を伝えるかのようだった。彼らの剣が舞うたびに、照明がその動きを追いかけ、剣先の輝きが会場全体に反射する。


団員の一人、若い騎士カイルが息を整えながら剣を構えた。彼は振り下ろした剣を一瞬で反転させ、その鋭い動きに観客席を模したスタッフたちが息を飲む様子を見て、自信を深めていた。

「よし、今のタイミングは完璧だ。」


ルージュロゼリアのメンバーたちも負けていなかった。剣舞の背後で踊る彼女たちのダンスは、柔らかさと力強さが絶妙に調和しており、観客の視線を引きつける魅力を放っていた。


リリアンはメンバーたちを見守りながら小さく頷いた。

「いい動きよ。この調子で本番も成功させましょう。」


3. トラブルとその克服


最終リハーサル中に、小さなトラブルも発生した。一部の音響機材に不具合が見つかり、一瞬だけ音が途切れる場面があったのだ。その瞬間、練習を止めていたエミーは、即座に技術職人を呼び寄せて対応を指示した。


「本番でこんなことが起きては絶対にダメよ。問題を解決するまで練習を一時中断します。」


職人たちは迅速に原因を特定し、音響システムの再調整を行った。エミーはその間、メンバーたちに声をかけ、士気が下がらないよう気を配った。

「心配しないで。こういうことも練習の一部よ。みんなは引き続き準備を進めてちょうだい。」


音響トラブルが解決した後、練習を再開した騎士団とルージュロゼリアは、より一層集中力を高めていた。


4. リハーサルの終盤


リハーサルが終盤に差し掛かる頃、エミーは全体の動きを確認しながら細かい指示を出していた。彼女は観客席を歩き回り、さまざまな角度からパフォーマンスを見て、どの席からでも最高のパフォーマンスが楽しめるよう工夫していた。


最後の演目が終わると、会場には静寂が訪れた。練習を終えたメンバーたちが息を整えながら互いの顔を見合わせ、笑顔を浮かべていた。エミーは壇上に立ち、全員に向けて語りかけた。

「皆さん、本当に素晴らしいリハーサルでした。これまでの努力がしっかり形になっています。この調子で本番を迎えましょう。」


団長のレオンが手を挙げ、声を張り上げた。

「よし、全員集合!最後にもう一度気合を入れ直すぞ!」

全員が拳を突き上げ、大きな掛け声を上げたその瞬間、チームとしての一体感がさらに強まった。


5. 決戦の準備


リハーサルを終えたメンバーたちは、翌日の本番に備えて体を休めるため、それぞれの宿舎へ戻った。しかし、彼らの表情には緊張以上に期待と興奮が浮かんでいた。


エミーはその様子を見送りながら、静かに執務室へと戻った。彼女は机に広げられたスケジュールを確認し、明日の成功を祈りながら最後の準備を進めた。

「これだけの準備をしてきたのだから、きっと成功するわ。明日はこの領地に新しい歴史が刻まれる日になる。」


エミーの心の中には、彼らの努力が実を結び、観客がその成果を見て喜ぶ姿が浮かんでいた。こうして、最終リハーサルは無事に終わり、ライブ当日を迎える準備が整った。


次回:ライブ当日の熱狂

ライブ当日、コロセッオに集まった観客たちが熱狂する様子と、蒼鷹騎士団とルージュロゼリアの舞台裏での緊張感が描かれる。歴史的なステージがいよいよ幕を開ける瞬間が訪れる――。



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