第十話「金銭恋愛マッチング、待機中(1/4)」
オンラインゲームで対戦相手が見つかることをマッチングという。辞書的に言えば、同一時間に同一ゲームを一緒にプレイすること。また、プレイできるようにプレイヤー同士を引き合わせること、みたいに書いてあった。友達とゲームをやる、格闘ゲームみたいな対戦ゲームをやると休み時間に話が決まればロクヨンやゲームキューブを持ってる友達の家にみんなで押しかけるのが少し前の日常だった。おやつなんかを持ち寄ってな。イマドキの子はインターネットを使って通信対戦。お気に入りの自分の部屋から出ることなく協力、対戦プレイだ。友達の家に遊びに行く文化が廃れちゃうのは、それで悲しいけどね。
そんな大人も子供も無作為にマッチングする世界でのトラブル。ゲームチャットでの醜い罵り合い、キッズを晒すみっともない大人たち。その程度のトラブルならこの街のオーガナイザーがわざわざ出るまでもない。浅漬けきゅうりぐらい歯ごたえがない。しかし大人のアダルトマッチングが関わるとなれば話は違う。恋や不倫や人間関係のもつれみたいな問題なら、それはよく漬かったたくあんみたいにおいしいぜ!
しかし話を聞いてみたらなんとゲームでマッチングした相手とリアルでマッチングしてそれが友達に恋人に発展マッチング(?)を目論む男女の駆け引きだって?えっ、オフ会はイマドキの常識だって?おじさんはもうついていけない。
いつの時代の恋も愛も金が全て。ゲームのコントローラーを握りながら出会いを探しに行く第十話。