目覚めると、そこは真っ白な世界だった。
そこに、ぼんやりと影が現れる。
「起きましたか?」
病院の人かな…
「はい…」
「ここは天界です」
「はい…」
天界、天界ね、天界……
「……え、?」
「はい、天界です」
「天、界…?」
「そうです」
いきなり言われた出来事に、驚きを隠せない。
「ぁ、私…死んだんですか…?」
「そうです」
「ぇ…ゑっ…!?」
視界がはっきりとして来た。
んぇ、待って待って待って、嘘でしょ…??
「まだ記憶が混乱しているようですね…」
「あ、あなたは…?」
「私は女神です」
「めがみ…?」
「はい、女神です」
「嘘だぁ…」
「本当ですよ?」
「いやいや、そんな、ありえないって…」
「本当です!」
「えっと…じゃあ、私の名前は…」
「それは知りません」
「女神様なら、知ってるんじゃないん…ですか?」
「知りません…!全世界の人の名前なんて、覚えている訳ないじゃないですか!」
…女神様も…色々大変なんだな…
じゃなくて!!
え、ほんとに?ほんとに女神様???
あの、なんかよく分かんないけど、なんか凄いっていう、あの…!?
「はい、そのなんか凄い女神様ですよ」
「えっっ…」
「女神様ですから。人の心をよむなんて容易いものです。」
「女神様すげぇ…」
「でしょうでしょう!」
女神様を褒めると、女神様は子犬の様に喜んでくれた。先ほどまでとは少し違うテンションに、少し戸惑う。
「おぉ…」
「なんです、その反応は…!」
「すみません」
「えーっと、では、今から頭の整頓をして頂きます。」
「頭の整頓…?」
「頭の整頓というより、前世の記憶を軽〜く思い出すくらいですかね。」
「え?前世の記憶なんてそんな…」
覚えてる…事はなかった。名前も何も思い出せない。親の顔も分からない。でも、徳川家康とか、割り算とか、勉強に関しての事は覚えていた。
「えー、では整頓していきます」
そこから女神様は、私の前世の事を教えてくれた。
私は小学六年生で、女子。死んだ時は12歳だった。
「……」
「…え、終わり…?」
「そんなに詳しく教えられない決まりなので」
「えぇ〜?」
「私、軽〜くって言ったじゃないですか!」
「それは…確かに」
というか、やはり記憶が無いからか、そんなにしっくり来なかった。でも、女神様に言われたら、やっぱりそうな気がして…。
そして、ふと疑問に思う。私は死んで、天界にいる。ここまでは分かる。でも、亡くなった人なんて、私以外にも沢山いる。どうして女神様が直接私に…?
「それはですね…」
あ、そっか、心よめるのかこの女神様。
「ずばり、異世界に転生して頂くからです。」
「え、」
「あなたには異世界へ転生して頂きます」
「……すみません……もう一度お願いします…」
「だから!異世界へ転生して頂きます!」
「ほんとに…?」
「ほんとじゃなかったら、そんな女神様直々に言いません!」
「そっっ、かぁ…」
絶対候補他にもいただろと思いつつ、内心すっっごい喜んでいる自分もいる。
「あ、喜んで頂けてありがたいです〜!」
「こちら…こそ?」
「それでは加護、付けておきますので!第二の人生楽しみながら、ついでに魔王でもちゃちゃっと倒しちゃって下さい!それでは!」
女神様は、早口に言った。魔王をちゃちゃっとって…。そして、白かった世界が虹色に光り、私は再び意識を失った。
「おぎゃぁぁぁぁっっ!!!」