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第27話 女神、太陽に融ける夜

夜の帳が静かに降り、揺れる天蓋のベッドが、深い夢の入口のように二人を包み込んでいく。


絹の衣が彼女の肌を滑り落ちるとき、空気がふと震えた。

その一瞬、彼の両腕が彼女を捕らえ、まるで逃れられぬ運命のように引き寄せた。


「ずっとお前と…こうしたかった」


ルークの瞳には、抑えきれない衝動と深い慈しみが交錯し、深淵のように彼女の心を飲み込んでいく。


「怖いなら……言え」


その声は、砂のように掠れていて、けれど心臓の奥に真っ直ぐ届く、低く熱い囁きだった。


小さく震えながら、セレフィーナは首を横に振った。


「……逃げない。あなたが……愛おしい……過去の罪も、私がすべて……受け入れるから」


その一言が、獣を目覚めさせた。

彼の動きが変わり、迷いを失った熱が彼女に降りかかる。

彼の唇が、肌にそっと触れると、その接触は静かに、けれど確実に、彼女の理性の輪郭を滲ませていった。


首筋から鎖骨、そして胸元へと降りていくその熱に、セレフィーナの吐息がかすかに漏れた。

彼の腕は強く、鼓動は荒く、湿った熱がふたりの境界を曖昧にしていく。


静寂のなか、衣擦れの音だけが響き、絹が一枚、また一枚と床に落ちていく。

ルークの口づけは執拗で、けれど一つひとつが祈りのように確かで、白い肌に紅の花を咲かせていった。


「セレフィーナ……俺のものに、なってくれ」


その声には、願いと支配が同居していた。

彼女は震える腕で彼の背にすがり、吐息を絡ませるように言った。


「……名前を、呼んで……」


「…セレフィーナ…」


「ルーク……っ」


その名は祈りのように唇を震わせ、彼の熱をさらに煽る。

舌が肌を這うたびに、セレフィーナの身体は弓のように反り、言葉にならぬ感覚が彼女を包む。


繊細な奥が、彼の舌の熱にゆるやかに脈打ち、意志を持つように彼を迎え入れようとする。

柔らかな脚が無意識に彼の首元に絡まり、求める心が形になる。


「我慢するな……すべて、俺に預けろ」


その低く唸るような声に、セレフィーナの五感は彼のものとなり、魂までもが預けられていく。

彼の腕が彼女の脚を抱えたとき、わずかな静寂が落ちた。次の瞬間、深く、熱く、彼は彼女の中へ沈んでいく。


「ルーク……っ、ルーク……!」


切羽詰まった声が名を呼ぶたび、彼の呼吸もまた高まり、さらに深く彼女の中へと溶けていく。

彼の指先が、内なる花の奥を探り、柔らかな膨らみに触れたとき、セレフィーナの身体が反応する。


「……ここ、か」


呟くように、確かめるように。

その指が巧みに舞い、秘められた場所を優しくも激しく暴いていく。


「…っあ!!あっ!!そこは…だめ!!」


恥じらいに染まった顔を両手で覆いながら、セレフィーナは震えた声で懇願する。


「……何がダメなんだ?」


その問いは、意地悪な笑みとともに降ってくる。


「…も…もう、何かがくるの……そこは……」


「いいんだ。全部、俺に見せてくれ」


彼の指が深く沈み、情熱が奥の奥まで届くと、彼女の身体がびくりと跳ねるように震えた。


「ダメっ……ああっ……もう……っ!」


声が限界を告げたその瞬間、彼女の身体が波のように打ち寄せ、すべてがあふれ出す。

熱が流れ、ルークの頬を濡らし、シーツを染める。


彼はそれを、誇らしげに、そして愛おしげに見つめた。


「……なんて、愛おしいんだ」


「……はぁ、はぁ……こんなの……初めて……」


頬を撫でる彼の指は優しく、流れ出た熱い雫を受け止めるように包み込む。

セレフィーナの胸は上下に揺れ、疲れと陶酔に瞳を潤ませていた。


「セレフィーナ……」


彼が名を呼ぶと、彼女は小さく首を振り、恥じらいを含んだ声で言った。


「……ルークの顔も……シーツも……こんなに濡らして……ごめんなさい……」


「ははっ。そんなこと、どうでもいいんだ」


笑みを浮かべながら、ルークは彼女の髪を愛おしそうに撫でた。

その余韻を、静かに味わうように。


セレフィーナは目を伏せ、彼の胸に頬を寄せた。


「……あなたが、すべて壊してくれるから……もう、怖くないの……」


静かに、けれど深く。彼女の言葉は、心の奥から零れる真実だった。

ルークの手が彼女を包み、温もりを惜しみなく与える。


セレフィーナは、ゆっくりと彼に手を回し、唇を重ねる。

甘く、切なく、ふたりだけの夜が深く沈んでいった――。


「そろそろ、入れるぞ…」


「ええ、来て。ルーク。あなたがしてくれたように、私もあなたを全て受け入れたいの…」


「…愛している。セレフィーナ…俺のものだ」


ルークの熱い意志が、彼女の柔らかな深みに完全に溶け合った瞬間、セレフィーナの心身が激しく震え、声にならない吐息が唇からこぼれた。


燃えるような感覚が、彼女の内奥を貫き、まるで二人の魂が一つに融け合うかのような陶酔に彼女は溺れる。


ルークの力強い存在が、彼女の秘めたる場所を強く、深く揺さぶるたび、セレフィーナの心が彼を求めて締め付き、汗と熱が交錯する。


肌が触れ合う響き、情熱が絡み合う音が、部屋を満たす唯一の真実となる。


ルークの情熱が、彼女の深みを執拗に愛し、快楽の波が二人をさらなる高みへと導く。


セレフィーナの心が、ルークの存在に呼応し、まるで彼を求めて脈打つ。


彼の動きが、彼女の内なる花に触れるたび、電流のような震えが二人を貫き、彼女の心が無意識に彼を包み込んだ。


「あっ、はぁ…ルーク…ルーク…っ!!」


「ーはぁ、はっ、セレフィーナ、もう…」


ルークの力が彼女のすべてを暴き、至福の頂点へと導く。


セレフィーナの心身が震え、声にならない喜びが唇からこぼれた瞬間、ルークの情熱が彼女の奥深くまで届き、二人の境界が完全に溶けた。


時間は、そこで止まったかのようだった。


激しい鼓動、互いの魂を呼び合う吐息、情熱が響き合う音だけが、二人を包む世界を織りなす。


ルークの腕が、彼女の心をさらに強く抱きしめ、まるで二度と離さないと誓うように動く。


セレフィーナの心が、彼の存在に絡みつき、熱と汗が溶け合う。


「ーはぁ…大丈夫か、セレフィーナ」


「はぁ…はぁ…大丈夫よ…」


セレフィーナの肌は、汗と熱で輝き、頬には涙とも喜びともつかぬ雫が光る。


ルークの指が、彼女の髪をそっと撫で、額に優しく口づけを落とした。


「お前は……俺の全てだ」


彼の声は、さっきまでの激しさとは裏腹に、震えるほどに優しかった。


セレフィーナは、かすかな微笑みを浮かべ、彼の頬にそっと触れる。


「あなたは……私を照らし、導く太陽みたいね……」


「セレフィーナ。お前に生かされてから…お前との再会を信じて、長い時を一人で生きてきた…。そして、今、俺の腕の中にいる事が…信じられない」


「全て、あなたが教えてくれた、現実よ…」


その言葉に、ルークの腕が彼女をさらに強く抱きしめ、まるで永遠を誓うように、彼女の名を囁き続けた。


ーー女神の手が、ようやく太陽に触れた。

そのぬくもりに抱かれて、心は静かにほどけてゆく。

愛に包まれた夜が、ふたりを優しく閉じた。


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