八重山諸島、石垣島。
2025年4月3日夜21時頃。
とあるTNR現場にて。
「ここも野良猫多いね」
「TNRしなきゃね~」
「この子、人馴れしてます」
「捕まるかな?」
「ケージで捕獲できるか試してみます」
TNRボランティアYさんが、野良猫の捕獲を試みている。
Yさんから時折送信されてくるのは、リアルタイムの現場画像。
他のボランティアたちは、Yさんと猫の様子をLINE越しに見守っていた。
石垣島は、野良猫がとても多い島。
市街地でも郊外でも、頻繁に屋外で過ごす飼い主のいない猫たちを見かける。
「いけそう?」
「普通に入りますね」
「捕まえちゃって~」
Yさんが捕獲しようとしているその猫は、全く警戒心が無かった。
ケージに餌が置かれると、猫は迷わず中へ入り込む。
すかさず扉を閉めるYさん。
「捕獲しました!」
扉を結束バンドで封印した後、YさんはLINEで報告した。
捕獲用の小型ケージごと猫を車に積み込み、Yさんが向かうのは預け先のガレージ。
TNR活動は、餌やり、捕獲、搬送、預かりをボランティアたちが役割分担している。
「では、うちで預かります」
預かりを担当する作者BIRDのもとへ、猫さんが届いたのは、日付が変わった4月4日AM1時頃のこと。
それから24時間が経過。
4月5日AM1時過ぎ、BIRD帰宅。
猫の世話をするためガレージへ行くと、ケージの中から何かの声がする。
「みーみーみーみー」
これは……
この声は……
あれだよな?!
確信をもって、ケージに被せていたバスタオルをどけてみたら、想定内の状況に。
「産んだのか……」
TNR用のSケージの中に、まだ羊水に濡れている小さいのが2匹。
不幸中の幸いは、母猫がスリゴロだったこと。
「しょうがないな、ここで子育てしてくれ」
出産途中の母猫を抱き上げてMケージに移しても、特に抵抗もせずにされるがままだった。
続いて、仔猫もそっと掴んで母猫の側へ。
ケージ底には新しいペットシーツを敷き詰め、外側には清潔な大判バスタオルを被せる。
その後、更に2匹増えて合計4匹の仔猫が誕生した。
猫神様降臨?!
『底辺作家BIRDよ、そなたにネタを授けてやろう。この母子を元ネタに、ファンタジーを書いてみるがよい』
というお告げがあったとか、なかったとか。
にゃんこファンタジー、実際に保護中の猫の母子を元ネタにしてお送りします!
アルファポリス版では猫たちの画像を見ることができますので、よろしかったら是非そちらも御覧下さい。