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第19話​

神谷慎一の登場で、事態の流れは一瞬で変わった。

システムも文字たちも、数えきれないほど神谷慎一の恐ろしさを私に伝えてきた。

しかし、神谷慎一の残忍さと独裁をこの目で見るのはこれが初めてだった。


彼は目の前の女性の説明を一言も聞かなかった。

ただ淡々と手を上げて、SPを呼び寄せた。

女性をその階から引きずり出させたのだ。


誰も異を唱えず、誰も私たちを一目見ようともしなかった。

目の前の神谷慎一は危険で、理解不能だった。


私はその女性が階から消えていくのを目の当たりにした。

そっと顔を上げると、神谷慎一の口元に、わけのわからない笑みが浮かんでいるのを見た。


その笑みは、私に向けられていた。

彼の冷たい指先がそっと私の手首を撫でる。

同時にうつむいて私に言った。「さっき、君を助けてやった」


彼はゆっくりと言葉を続けた。「どうやってお礼するんだ?」


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