「じゃあ、先にシャワーでも浴びようか?」
その言葉に薙は頭を頷かせる。
何だか昔とは違う修斗。だけど昔と変わらずカッコいい。だからホストなんて仕事が出来るんだろうな。と思いながらも薙は修斗と一緒にお風呂場へと向かう。
昔話は後にして、とりあえず今は昔恋人だった人と今を楽しもうと思った薙だったのであろう。
そしてこのマンションのお風呂も広かった。ラブホ位の広さはあるんじゃないかと思うくらいだ。
脱衣所で服を脱ぐと薙はお風呂場に足を踏み入れる。
「あ……広い……。僕の家のお風呂なんてさ……共同だし、シャワーもないし……」
「じゃあ、これからは家のお風呂に入りに来たら?」
その修斗からの提案に薙は目をキラキラとさせながら修斗のことを見上げる。
「ほ、本当に!?」
「ああ……。あー、そうだ! ちょっと、気が早いのかもしれないんだけど……もう、一緒に暮らしちゃえばいいんじゃね?」
「あー、そうかー!?」
その修斗からの提案に薙の方は瞳を輝かせるのだ。
「……って、今時、お風呂共同のアパートに住んでるって、何処に住んでるんだよ」
そう突っ込みを入れる修斗。
「へ……? ってか、修斗の家からそんに離れてないとこに住んでるよ」
「はい?」
「多分、このマンションから見えると思うんだけどなぁ?」
「ま、いいや……そういう話は後、後……今はお前と離れていた時間を埋めたいんだからさ……」
そう修斗は甘い声で言うと、いきなり薙の体を後ろから抱き締めて耳後ろを舐めるのだ。
それだけでも薙は反応してしまったのか、
「ぁ……ん……」
「そんなんで反応しちまうのか? やっぱ、お前って……そういう素質あったんだな……」
「あ、いや……それは……ずっと……修斗とのことしか考えてなくて……ってか……あの時のことが忘れられなくて……」
「あの頃は俺のムスコさんも小さかったけど……今は色々大きくなったんだから、今日は覚悟してろよ。しかも、もう、お風呂場でやる気満々だしな」
修斗は手にボディソープを乗せると薙の体を滑らせていく。