「じゃあ、それで、いいんじゃない?」
「うん……」
修斗は薙の体を抱き締めながら、ベッドへと横になる。
「薙……」
そう何回も愛おしそうに薙の名前を呼ぶ修斗。
「とりあえず……今は寝ようか……。寝て起きてからも、まだまだ、薙と一緒に居られるんだからさ……」
「うん……そうだね……」
修斗は薙の体を抱き締めたまま瞳を閉じる。
それから薙は修斗に言われた通りに仕事を辞め今は修斗のマンションで暮らしている。
ついこの間まで直ぐ下に見える、おんぼろアパートに住んでいたのに今では高層マンションに住んでいる。
そして今は修斗の為にご飯を作り始める。
白のフリフリエプロンを身に付け料理をしてパートナーを待つ気分は世の奥様方と変わらないのかもしれない。
今日は修斗は仕事が休みで大学から帰って来るのを待ってる日だ。
夕飯を食べてから今日は二人で出掛けるすることになっている。そう夜のお楽しみのための買い物だ。修斗が二人で買い物に行きたいと言っていたので仕事休みの今日行くことにしていた。
せっかく二人で暮らせるようになったのだから夜のお楽しみも早く楽しみたいということであろう。
薙は家事や料理は得意な方だ。それに恋人の為ならもっとヤル気が出るであろう。
薙が鼻歌を歌いながら料理を作り終えると玄関の方からドアが開く音が聞こえ薙は玄関に出迎えに向かう。
「おかえり……修斗……」
そう言って修斗の体を抱き締める。
「ただいま……薙……」
そんな薙のことを抱き締め返すと、
「いい匂いするね……今日は何?」
「今日は焼肉!」
「あ! そういうことね!」
「……って、納得するの早い!」
「だって、そうでしょう……今日の夜は薙のこと抱くんだからさ……精をつけておかないとね! って意味でしょー」