チャイムの音で目が覚めた。ベッドサイドに置かれたアナログ時計に目を遣ると、時刻はもうじき午後六時だった。閉めたカーテンの隙間はほんのり暗い。
レイナは隣でぐうぐう眠っていた。チャイムの音で起きないなんてと笑えてきたが、別に彼女は番犬ではないのだから仕方ない。
ボクサーパンツとジーンズを手早く履いて、レイナを起こさないよう、静かに階下へと下りる。
たぶん、中年夫婦が夕食のバーベキューセットを持ってきてくれたのだ。確か夕食は午後六時からだと言っていた。午後七時には日が落ちきって、真っ暗になってしまうから。
暗くなったら火を消して、星を見よう。ここなら天の川も見えるかもしれない。
それにしても腹が減った。
今夜は奮発して、一番高いセットを予約したんだ。肉が好きなレイナもきっと喜ぶ。
俺は心底浮かれながら、いそいそと玄関ドアを開けた。