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美女肉忍法帖 忍法で女体化したので女子校に潜入したく候
美女肉忍法帖 忍法で女体化したので女子校に潜入したく候
ハマカズシ
現代ファンタジー異能バトル
2025年06月08日
公開日
8,644字
連載中
三雲蓮太郎は甲賀忍者の最後の生き残りである。 忍者とは無縁の生活を送っていたが、伊賀のくノ一がとある女子校に集まり始めたらしい。 その目的を探るため、蓮太郎は忍法美女肉を使い、女体化することで女子校に潜入することとなった。 女子校とは秘密の花園、女子たちの楽園! 果たして蓮太郎は無事に伊賀くノ一の陰謀を暴くことができるのか? もしくは女子たちのイチャイチャに呑まれて堕落してしまうのか?

第1話 序章

 校門の前に立ち、空を見上げる途中に見えた桜はもう散っていた。しとやかな春の風が、足元の桜の花びらが舞い上がらせる。


 そのピンク色に染まった桜の絨毯の上を、そろりそろりと静かに歩く。いつもより歩幅は小さく、やっぱり緊張しているみたい。


 なにせ今日が転校初日。目に映るものすべてが新しく、すべてが刺激的。


「ごきげんよう」


 校舎へ続くレンガ敷きの道を歩いていると、女子たちが聞き慣れない挨拶を交わしながら通り過ぎてゆく。


「……あ!」


 とっさのことで反応できずに、口をぽかんと開けたまま見送ってしまった。


 ああ、やっちゃった。挨拶できなかった……」。

 ちょっとだけ後悔して、下唇を噛む。


 だけどこんなことでくじけていられない。登校する生徒たちの波に混ざる。


 右には女子、左にも女子、周りにいるのはすべて女子だった。


「女子しかいない……」


 誰にも聞こえないように、ぽつりと当たり前のことをつぶやいてしまう。


 そりゃそっか、ここは女子校なんだから。


 全国でも有数の名門女子校、大和女学院。


 歴史と伝統が垣間見える校舎を眺めながら歩いていると、びゅうっと風が吹いてスカートを膨らませた。思わず「あっ」と小さな声を漏らし、スカートを両手で押さえる。膝同士がこつんと触れ合い、黒のローファーがハの字にこんにちは。


 ぎこちない指で髪を耳にかけると、自分の仕草にちょっとだけ恥ずかしくなった。


「ご、ごきげんよう」


 通りがかった女子に、勇気を出して挨拶をしてみる。ショートカットの清楚な女子が、軽く頭を下げてにこりと笑いかけてくれた。


 なんとかやっていけるかもしれない。そのとき、小さな勇気が芽生えたんだ。


 今日からここで新しい高校生活が始まることになる。


 俺の、女子高生としての生活が――。


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