5月28日(その1)
いよいよ、明日は私が設定したオ●禁命令の解除日だ。
一番喜んでいたのは、もちろんワニンゴだ。「オー、シコシコディ〜♫ オー、シコシコディ〜♫」なんて頭の悪い歌を口ずさんでる。
奥さんと娘の状況から立ち直れないブータロウ、そしてブータロウを心配しているカレキはそんな気分じゃないらしい。
めでたい日なんで、今日は特別に旅館を取った。
シングル部屋で3人なんてみみっちいことはしない。ちゃんと10畳間の大部屋で、各自に布団が1つずつ。それでも若干1名以外の気は晴れない。
一風呂浴びて、全員浴衣で大部屋に集まる。
ヒゲの名探偵と、メガネのガキ、あと空手道着を着た野郎(なんで浴衣じゃねぇんだよ)が3人、先に席についていた。
案の定、ブータロウ、ワニンゴ、カレキが「え? 誰?」みたいな顔をしてたんで、「浮気調査依頼したヤツら」と言ったらブータロウが泣いた。
カレキが「なぜそんな彼らまで?」とか聞いてきたんで、「宴会は多い方が盛り上がるだろ」と言ったら、全員複雑そうな顔をしてたんで、「無礼講だ。なんなら、お前らでキスしても許す」というジョークで場を和ませようとしたけど、カレキ以外が「えー」みたいな顔をしてた。笑えよ、ベ●ータ。ブッ飛ばすぞ。……と、思ったけどここは我慢する。
ヒゲと、メガネのガキが本名を名乗ろうとしたんで、「ヒゲ、メガネ、カラテ。これ以外は認めない」と言ったら、「それでいいです…」とヒゲが答えた。
ちなみにヒゲとメガネは親子じゃない。カラテがヒゲの息子で、メガネは何とかの組織とか何かに狙われていて、探偵の家に匿われているらしい。ぶっちゃけ興味がないんで、「へー」と言っといた。
でも、私の腐女子の鼻は誤魔化せない。この探偵一家(一味?)からは“腐”のニオイがする。
そうこうしてると、晩御飯の舟盛りが届いた。
ちなみに女子接触禁止令を出してるので、仲居さんの代わりに暑苦しいマッチョな褌姿の海の男たちが「よいやっさ!」と舟盛りを持って来てくれる。カレキとカラテがゴクリと喉を鳴らしてた。名前が似てるだけあって反応も似てた。知らんけど。
舟盛りの中を見たワニンゴが、「なんでアワビだけなんだ?」とか聞いてきたんで、「好きだろ? アワビ」と言ったら、「んんッ!」と呻いてた。
アワビの刺身を肝醤油で頂く。コリコリして旨い。
…いや、やっぱマグロの刺身の方が美味しいかな。
それよりこれ、見た目グロすぎね?