6月25日
やることをやり終えて、仲間たちの元へと戻って来た。
カレキが出迎えてくれたんで、「結果は?」と聞くと、「完璧ですぞ」と答えた。
さっそく見に行くと、ワニンゴ、アナルゴ、フグリ田、その他たちがグラサンにピチピチのラバースーツ(ズボンは短パン)といった出で立ちで、「フォー!」と叫びながら腰を振っていた。
私の姿を見るやいなや、横一列に整列して敬礼する。「それでは試す」と、ロリコのデカ乳を指示棒でつつく。「ひゃい♡」みたいな男を悦ばせるクソみたいな反応をした。
しかし、ワニンゴたちは直立不動のまま、表情も変わらずに口元もキュッと引き締まっている。
「これはなんだ?」と問いかけると、「「「単なる脂肪の塊であります!」」」と一斉に答えた。
次に私はそこら辺を歩いていたオバハンを捕まえてきて、その三段腹を指示棒で指して「これはなんだ?」と問いかけると、「「「単なる脂肪の塊であります!」」」と答え、オバハンが怒り狂って暴れ回り、男たちに馬乗りになってボコボコにしていた。
よし。コイツらの矯正は完了したようだな。
あとはブータロウを蘇らせるだけだが、涙……そういやどうやって泣くんだ?
ロリコに聞くと、「そんなことより勇者様、あの転職したことでぇ」と、「私は勇者じゃない。いま正統派ヒロインだ」と答えたが、「はあ、その正統派ヒロインになったことでレベルが……」と言い、なんかステータスオープンした。
自分のを見やると、レベルが1になって、ステータスも貧弱なものになってた。「なにこれ、聞いてないんですけど」と言うと、「たぶん転職の影響で……あと、注意書きにそのことも書いてあったんじゃないかとぉ」と。いや、口頭で説明しろや。
しかし、せっかくレベル99になったのにやべーな。でも、コイツらは矯正してるから大丈夫か。
「とりあえず黙っといて」とロリコに命じ、涙を流す方法を考える。
よく考えたら私は泣いたことなんてない。
お母さんに電話して、「私、赤ちゃん時は泣いてたでしょ? どうやってた?」と聞いたら、『あんたは泣いてなかったわよ』とか言うんで、「なら、生まれた時どうだったの?」とさらに聞いたら、『生まれてすぐに立ち上がって、「天上天下唯我独尊」って言ったのよ。それからお隣のうち(ジークハルトとリシュアンの家)から三輪車を盗んで走り出したの』とかぬかしやがった。
うそつけ。面倒くさくなって適当なこと言ってんじゃねぇ。