目次
ブックマーク
応援する
4
コメント
シェア
通報
鬼を喰らわば、唄いましょ?
鬼を喰らわば、唄いましょ?
花月夜
現代ファンタジー異能バトル
2025年06月12日
公開日
22.5万字
連載中
 昔々、平安の世。都には、憎しみと欲望のままに人を喰らう鬼たちがはびこり、悪虐を尽くしておりました。  けれど、そんな恐ろしい鬼たちですら怯える、“異端の祓い屋”がいたのです。 その一族は、古くから陰陽道に通じ、人喰いの鬼を退けることを生業としておりました。  そして彼らには、代々受け継がれてきた禁断の儀――“鬼喰(おにくい)”という儀式があったのです。  それは、鬼を捕らえ、自らの手で喰らうという、あまりに異様で、忌まわしい儀式―― その風習のせいで、一族は他の祓い屋からも恐れられ、決して表には姿を見せませんでした。  いつしか彼らの名は歴史からも消され、ただ影のなかで、帝に仕える近衛として息をひそめていたのです。  一族の名は――栄神(えいじん)。 その当主の名は、静夜(しずよ)と申しました。 ――そして時は流れ、令和の現代。  思いがけず、栄神の血を引いていたひとりの男が、やがて国すらも揺るがす騒乱に巻き込まれていくことになります。  これは、しがない自称フリーのおじさんWEBエンジニアが、異能と宿命に翻弄されてゆく物語―― どうぞ、お聞きくださいませ。

序章

三条大橋 一

loading