幸いにも雀荘にはあの日、私やKと共に卓を囲んだ電脳が居た。に頼らない論理思考を基に麻雀を打つ電脳は、頭脳明晰な男と評判だった。そんな彼から意見を貰うのが最適であろうと考えた私は、彼にKの睡眠薬と時計を使ったアリバイトリックについて、語って聞かせた。
「……それって、
麻雀の途中で無理矢理卓から引き剥がされたせいもあろうが、電脳の反応は恐ろしく冷ややかだった。
「そもそもさあ、キミの考えたトリックって、ボク達全員を眠らせないとダメじゃん。Kクンから聞かなかった? あの日
電脳の言葉に、私の推理はあっさりと瓦解した。
「どうしてもキミが起きないから、仕方なくボク達は三麻に移行したんだ。で、二時間位打ってたら、今度は年に勝てなくなった梅サンが根を上げてさ。そこで、その日の麻雀はお開きになったんだ。それが確か、二十三時少し前だったかな?」
電脳は煙草を口に咥えると、ジッポで火をつける。
「それと参考までに。
「それなら……一体誰が黒雀姫を殺したんだ?」
私の疑問を愚弄するかの様に、電脳は大量の煙を溜息と共に吐き出した。
「……キミさ、ホントに