――ギュイィィン!!
それは光輪だった。
大きく開けた顎からは光が漏れ出し、その漏れ出した光が光輪を生成。直線状に次々と赤い光輪が連なり現れた。
――キイィィィィン!!
体内から生成される膨大なエネルギーにより、刺々しい鱗の隙間から光が漏れ出す。
周囲の空間は歪みが発生。それは光輪がより濃くになるに連れ、顎の光がより漏れ出すに連れ、エネルギーが高まるに連れ、
そして一瞬時間が止まり。
――――ッド!!!!
ついには放たれた。
――ドワオッッ!!!!
複数の光輪を通り淀みも無く一直線。人の何倍もの大きさを誇る熱線が大気を焦がし、空間を歪ませ、今、国一つを滅ぼさんとするモンスターの大軍に風穴を空けた。
それだけではない。
――――ッドドドドドドド!!!!
左右に薙ぎ払った熱線は鞭の様にしなると、瞬く間にモンスターを蒸発。弱い強い、大きい小さい、柔い硬い。有象無象のそれらことごとくの一切を蹂躙。大きな爆発を起こして完膚なきまで屠った。
そして顎は空を向くと照準である光輪も同時に空へ。大きな光輪に複数の光輪が集約。そこを熱線が通ると、破裂。
――――ッドワオッッ!!!!
雨の様な熱線が空を飛ぶモンスターの大群を物の見事に屠った。
「――ガア゛アアアアアアアアア!!!!」
勝利の雄叫び。
広く大きく空に響かせる勝利の声は、戦場である広大な荒野に響き、ヒューマンやエルフ、ドワーフに妖精の種族間連合に驚嘆と感動、畏怖を与えたのは言うまでもない……。