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第46話 お花見大会と絆の夜


「はーい! リオンのダンジョン配信、お花見編! チーム『スターライト』、今日は公園でお花見大会で大盛り上がりだよ! ミリアちゃんのブロンズ級昇格も目前! ブルーファングやルミナスと一緒に、マギテックの闇を暴く準備もバッチリ! 視聴者のみんな、応援よろしくね!」


 ドローンが静岡市街地の公園のお花見会場を映し出す。

 春の夜空に提灯の光が揺れ、満開の桜が淡いピンクの花びらを散らす。

 この毎年恒例のお花見大会は、冒険者や地元民で賑わい、モンスター肉の串焼きやスライムゼリーの屋台が彩りを添える。


『スターライト、お花見キター!』

『リオンちゃん、桜バックで最強に可愛い!』

『ミリアちゃん、ブロンズ級ガンバ!』


 ブロンズ級を目指すと宣言してから、けっこう経過している。

 そろそろ挑戦時期が迫っており、徐々に緊張しつつあった。

 でも今日は、久しぶりの休暇、楽しくお花見だ。


 桜の木の下にシートを広げ、スターライトの三人は準備を始める。

 リオンがドローンを操作し、桜の花びらが舞う様子を映す。

 ミリアが最新型のミスリウム・ソードを手に、アンバーの瞳で桜を見上げる。


「リオンさん、兄が『桜は冒険者の魂を癒す』って言ってた」

「うん、ミリアちゃん! 斎木さんの魂、この桜の下で輝かせるよ! マナミ、屋台のスライムゼリーとポーション飲料、確保して!」

「お兄ちゃん、ポーターの腕、フル回転! スライムゼリーもモンスター串焼きもガッツリ持ってくるね! 視聴者のみんな、ポーターの活躍見ててね!」


 マナミが素早く買い物をしてきて、マジック・バッグから色とりどりのスライムゼリーと串焼きを取り出し、シートに並べる。

 ノンアルのダンジョン産の果実ジュースも配っていく。

 コメントが『マナミちゃん、ポーター最強!』で沸く。

 冒険者ギルドの特設テントで、山田マリコが猫耳をピクピクさせながら現れる。


「スターライト、お花見の警備任務、と言いたいところだけど、今回は休暇よ。よかったわね。配信で祭りを盛り上げて!」

「マリコさん、了解! 視聴者のみんな、スターライトがお花見を見守りつつ、休暇を楽しむぞ! 応援して!」


 そこへ、サキ率いるブルーファングが登場。

 サキの金髪が桜の花びらと調和し、バイオレットの瞳がリオンを温かく見つめる。

 トオルとルナが後ろに控え、モンスター肉の串焼きを手に笑う。


「リオン、ミリア、桜の下で再会とか、めっちゃドラマチック! ブルーファング、マギテックの契約を完全に破棄したよ。改革派の圧力、ほんと許せない!」


 ミリアがミスリウム・ソードを握り、驚きの声を上げる。


「サキさん、契約破棄!? それって……兄の死の真相、もっと近づけるってこと?」

「その通り、ミリアちゃん。マギテックが魔力結晶のデータ隠蔽に改革派を使ってた証拠、ブルーファングが掴んだ。スターライトの配信でドカンとぶちまけよう!」


 視聴者数が三万二千人に急上昇。

 コメントが『スターライト&ブルーファング、桜で最強!』で埋まる。

 ルミナスの小野田さん、増田さん、海野さんも合流し、シートに座る。

 小野田さんのディープブルーの髪が提灯の光に映え、グレーの瞳に保守派の誇りが宿る。


「リオン、ミリア、サキ、よくやった。斎木直樹の信念、俺たち保守派も継ぐ。マギテックの隠蔽、桜の夜にぶち破ろう」


 シートにはモンスター料理がずらり。クリムゾン・シュリンプの唐揚げ、マッド・トードの串焼き、魔法キノコの天ぷらが並び、果実ジュースがグラスに注がれる。マナミがスライムゼリーを頬張り、目を輝かせる。


「お兄ちゃん、ミリアちゃん、サキさん、ルミナスさん、この串焼き、めっちゃ美味しい! ポーターの胃袋、祭りでフル稼働!」


 リオンが果実ジュースを手に、桜を見上げる。


「この桜、斎木さんが愛した静岡そのものだね。みんなでここを守り、真相を暴くよ!」


 桜の花びらが舞う中、スターライトとブルーファング、ルミナスの絆が、桜の夜を温かく照らす。

 配信を締める。コメントが『スターライト、最高!』で埋まる。

 お花見は夜遅くまで続き、シートには笑顔と笑い声が響く。リオンが果実ジュースを掲げ、仲間たちを見回す。

「みんな、この桜の下で、斎木さんの名誉を取り戻す! スターライト、次の冒険もガンガンいくよ!」


 ミリアが桜の花びらを手に、微笑む。

 マナミがスライムゼリーを振り、叫ぶ。


「ポーターのマジック・バッグ、次もフル装備! お兄ちゃん、ミリアちゃん、最高の夜!」


 小野田が果実ジュースを飲み干し、頷く。


「斎木の信念、俺たちも忘れない。スターライト、保守派の誇りだ」


 桜の花びらが静かに舞い落ち、スターライトの新たな一歩を祝福する。お花見大会の夜は、絆と決意で輝く、忘れられない一夜となった。


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