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エピローグ 別れと新たな始まり

それから三ヶ月が過ぎた・・・ハーモニーヘイブンは古代遺跡の発見により、世界中から注目を集める都市となっていた


冒険者ギルド「クロスロード」は今や世界最大級のギルドに成長し、登録冒険者数は500人を超えていた


ある秋の朝、ゾルガは受付カウンターで最後の業務報告書を作成していた


「これで全ての引き継ぎが完了ですね」

ルナリアが確認した


「ええ・・・あなたたち三人がいれば、もう私がいなくても大丈夫ね」

ゾルガは満足そうに微笑んだ


オルリアが泣きそうな顔をしていた

「ゾルガさん、本当に帰っちゃうんですか?」


「お約束の期間が終わったのよ・・・でも、いつでも会いに来るから」

ゾルガは優しく答えた


セシリアも寂しそうだった

「ゾルガさんから教わったことは、一生忘れません」


「私の方こそ、あなたたちから多くを学ばせてもらったわ」

ゾルガが感謝した


その時、ギルドの扉が開き、レオンがザックとトムと一緒に入ってきた


「荷造りは終わったぞ」

レオンが報告した


「俺たちも準備万端だ」

ザックが胸を張った


「でも、本当に寂しくなるな」

トムが正直な気持ちを口にした


「そう言えば、ライラさんは?」

ゾルガが辺りを見回すと、ライラがギルドに入って来て


「私はもう少し、古代遺跡を調べてから帰るよ」

と、答えてくれた


・・・・・


午後になると、ギルドの大広間で送別会が開かれた


冒険者たち、街の住民たち、そして関係者が全員集まっていた


モノが乾杯の音頭を取った


「ゾルガ、レオン、ザック、トム!!!君たちのおかげで、このギルドは、この街は、本当に素晴らしい場所になった!!!乾杯!!!!」


全員がジョッキを掲げた


エリナが前に出た

「ゾルガさん、あなたは私たちに異種族協力の素晴らしさを教えてくれました・・・心から感謝しています」


ドラコも立ち上がった

「俺は・・・最初、お前たちを受け入れられなかった」


彼は珍しく感情を込めて言った

「でも、お前たちのおかげで、俺は本当の仲間の意味を知った・・・ありがとう」


ガレスとマリアも口を揃えて言った

「最強三豪傑も、君たちがいなければ生まれなかった」

「私たちの絆は永遠よ」


アルバートは感謝の言葉を述べた

「古代遺跡の調査も、君たちの協力なしには成功しなかった」


街の共同責任者であるマグナスとエドワードも挨拶した


「この街の発展は、あなたたちから始まりました」

マグナスが感謝した


「ハーモニーヘイブンの名誉市民として、いつでもお帰りください」

エドワードが宣言した


最後に、三人の新人受付嬢が前に出た


「ゾルガさん」


ルナリアが代表して言った

「私たちは、あなたのような立派な受付嬢になることを誓います」


「はい!」

オルリアが涙声で答えた


「絶対にがんばります!」

セシリアも決意を込めて言った


ゾルガは三人を抱きしめた

「あなたたちは、もう立派な受付嬢よ、自信を持って」


宴会は夜遅くまで続いた。笑いあり、涙ありの素晴らしい時間だった


・・・・・


翌朝、ギルドの前には大勢の人々が見送りに集まっていた


馬車が用意され、四人の荷物が積み込まれていた


「では、出発します」

レオンが御者に合図した


「待って!」

オルリアが走り寄ってきた


「これ、お土産です!」

彼女が差し出したのは、四人の似顔絵が描かれた手作りの額縁だった


「オルリア・・・ありがとう」

ゾルガが受け取った


ルナリアも近づいてきた

「これは母の形見です」

彼女は小さな魔法石のペンダントを差し出した


「いつかお返しに行きますから、それまで持っていてください」


「大切にするわ」

ゾルガが感激した


セシリアは手紙を渡した

「父と私からの感謝状です、いつか読んでください」


ドラコが前に出てきた


「レオン・・・」

彼は少し照れながら言った

「また一緒に戦える日を楽しみにしている」


「俺もだ、ドラコ」

レオンが握手した


モノとエリナも最後の挨拶をした


「『光の翼』の再結成、また楽しみにしているぜ」

モノが豪快に笑った


「今度は“家族ぐるみ”で会いましょう」

エリナが微笑んだ


「約束するよ」

レオンが答えた


ついに別れの時が来た


四人は馬車に乗り込んだ


「みなさん、本当にありがとうございました!」

ゾルガが窓から手を振った


「また会いましょう!」

レオンも大きく手を振った


「元気でな、みんな!」

ザックが叫んだ


「絶対にまた来るからな!」

トムも約束した


馬車がゆっくりと動き出した・・・見送りの人々が手を振り続けている


「ゾルガさーん!」

「レオンさーん!」

「また来てくださーい!」


四人は最後まで手を振り続けた

ハーモニーヘイブンの街が小さくなっていく・・・


「いい街だったな」

ザックが感慨深げに言った


「ああ、本当にいい経験だった」

レオンが同感した


「私たちも成長できたわね」

ゾルガが振り返った


「おかげで、異種族協力の新しい形を学べたよ」

トムも満足そうだった


馬車の中で、四人は思い出話に花を咲かせた・・・


最初の緊張した出会い、ドラコとの対立、新人受付嬢たちの成長、古代遺跡の発見、そして最後の政治的な騒動まで・・・


「これからも、私たちの経験を活かしていきましょう」

ゾルガが提案した


「そうだな」

レオンが頷いた


「ダークレイムでも、きっと新しい挑戦が待っている」

故郷への帰還


・・・・・


三日後、四人は懐かしいダークレイムに到着した


魔王の国の首都は相変わらずの活気に満ちていた


冒険者ギルド「闇夜の爪痕」の前で馬車が止まった


「ただいま!」

四人が声を揃えて言った


ギルドの扉が開き、アリエルが飛び出してきた

「おかえりなさい!みんな、無事だったのね!」


続いてガンターやマルコ、そして他の仲間たちも出迎えてくれた


「お疲れ様でした!」

「話を聞かせてくれ!」

「土産話が楽しみだ!」


最後に、ギルドマスターのイルザが現れた

「よく帰ってきた」


彼女は優しく微笑んだ

「君たちの活躍は、ここまで届いているよ、本当にお疲れ様」


「ただいま戻りました、マスター」

ゾルガが深々と頭を下げた


「多くを学ばせていただきました」

レオンも感謝した


「俺たちも成長したぜ」

ザックが胸を張った


「これからもよろしくお願いします」

トムも決意を込めて言った


こうして、ゾルガとレオン夫妻の新天地での赴任は終わった


しかし、彼らが築いた絆と経験は永遠に続いていく


ハーモニーヘイブンでの日々は、彼らにとって人生の宝物となった


そして、その経験は今後の冒険にも必ず活かされることだろう


異種族協力の架け橋として始まった彼らの物語は、世界中に希望の種を蒔き続けている


新たな冒険が、彼らを待っているのだから

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