夜の9時。
お風呂上りでスマホを触っていると、ピロンとメールの通知音が鳴った。
送ってきた相手の名前は、
【数学の答え借してくれん?】
【いいよ】
窓を開け、暗いベランダに行く。
隣の窓から光が差し込み、そこを見ると、いつもの顔が見えた。
「これでしょ?」
「それそれ!ありがと!答えだけどっか行っちゃってさー」
「いつも整理整頓しないから……」
「ごめんって!w」
手を振って部屋の中に戻る。
ベッドに座り、ふぅ、一息吐いた。
「あーーーー今日もかっこよかった!!」
私、
「眼鏡かけてた!眼鏡!如何にも勉強中って感じの格好で!偉いっ偉すぎるっっ!」
そして推しでもある。
「はあ……どうしていつも普通に喋れないんだろー。変に緊張するんだよなぁ」
「藍萌さっきからうるさいんだけど」
ドアの奥から兄の声がした。
「あーごめん!でもいつもの事でしょ!」
「まぁ……早く髪乾かさねぇとボサボサになるぞ」
「はぁい」
勉強熱心かつスポーツ万能で、明るくてみんなに好かれてる。たまにドジだけど不意のかっこよさがすごくいい。授業でみんな寝ちゃうときは1人で起きてて偉い。ファッションセンスも良い。すぐに誰かを助けられて、どんな人にも平等に接する。こんな私にも他の人と同じように接してくれる。
私は、そんな内海くんが好きだ。