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第22話


 そのときだった。

「オリヴィアさんっ!!」


 王宮の庭に、声が響いた。その瞬間、パッと光が差した気がした。

 オリヴィアは顔を上げる。青々とした空に目を向け、声の主を探した。


 浮かんでいたのは、レイルだった。隣にはソフィアもいる。


「レイルくん……? ソフィアさん……?」

「オリヴィアさん!」


 レイルはソフィアと共に降りてくると、真っ先にオリヴィアの元へ駆けよった。

 その勢いのまま、レイルはオリヴィアを強く抱き締める。


 苦しいくらいに強い力だった。レイルの匂いがふわりと鼻を突き抜けた。その途端、ずっと張っていた心の糸が、プツッと切れた。


「うっ……」


 一度堰を切った涙は留まることを知らず、ぽろぽろと次から次へ零れていく。オリヴィアはレイルにしがみつくように抱き着いた。


「レイルくんっ……レイルくん」

「良かった……ごめんね、オリヴィアさん……迎えに来るのが遅くなって。もう大丈夫だからね」


 レイルは、小さく震えるオリヴィアの背中を優しくさすり続けた。


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