一二八(イイニワ)八二ー(ワニー)
文芸・その他ノンジャンル
2025年07月04日
公開日
11.7万字
完結済
僕はカンタ、本を読んでもらうのが好きな、14才の男だ。
14才にもなって、読んでもらう? なんだ、お前、と思われた方もいらっしゃるでしょう。
だが僕は、好きな時に本を読む事が出来ないんだ。
僕は、目が見えないんだよ。
だが今日、僕にとって、革命がおきた。
盲学校でスマホの使い方を授業で学んだんだ。
中でも、スクリーンリーダー機能は、僕には本当に革命的だった。
僕のAndroidスマホには、talkbackと言うアプリが最初から入っており、使い方を全力で先生から学んだ。
だって、好きな本を好きな時に、読み上げてくれるんだ。
僕達みたいな人達には、とても助けになるアイテムだ。
今日習った授業を思い出しながら、ねえちゃんが僕の代わりに読んでくれていた作品を探す為に、ネオページと言うWebサイトにアクセスしていた。
何とか目的の作品にたどり着いたが、まだ更新がされていなかった。
う~ん残念だ、あのあとのバトルが気になる。
他に、気になっていた作品を、読み上げてもらっていると、気が付いた事がある。
どうやら、読み上げアプリは、誤読をしているだろうと思うところが、結構多い事に気付いた。
気に入っていた作品だからこそ、少しイラツクし、ストレスだ。
気分を変えようと、新作のところを読み上げてもらっていると、変なタイトルの本が気になった。
『読みにくいけど、聞きやすい本』とタイトルに書いてある本のようだ。
本なのに、読みにくいけど、聞きやすいって、何を言ってるんだよ、作家さんは、と僕は思っていた。
折角だから、試しに読み上げてもらうかぁ~と思った。
句読点と記号の読み上げを、一部に設定をしていただく事を、お勧めいたします。と読み上げたので、読み上げの設定をして、読み上げてもらった。
1話が終わった時に、この本のタイトルの意味が分かった。
聞いていて、誤読が1回もなかった。
コメントのところに、この作品はtalkbackアプリを使い、1話、1話を聞いて、書いて、聞いて、書き直しをしているそうだ。
1話の読み上げが終わったので、イヤホンを外すと、ねえちゃんは、僕の後ろから読んでいたようで、『読みにくい作品だね』と笑いながら言っていた。
僕は、この本のタイトルどおりだと思い笑ってしまった。
カンタ君とお姉ちゃん、本の説明を有り難う。
他の読み上げアプリが対応するのか、分かりません。