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白色が怖い
白色が怖い
菊池まりな
文芸・その他ショートショート
2025年07月05日
公開日
451字
完結済
白色が怖い──。いつ頃からか芽生えた感情。

白色が怖い

白色が怖い──。


いつからだろう?そんな風に思うようになったのは──。


とある病院では、外観こそ白ではないが、廊下や階段、待合室や診察室の壁紙の色、診察台の色、照明の色、全てが白色で、私は意識が朦朧もうろうとなってしまった。


診察台に腰をかけるだけなのに、それすら分からない。


催眠術にでもかかったかのように──。


戸惑いながら、

「どう座ったらいいですか?」

と医療スタッフに聞く。

「ここにただ座るだけですよ。」

「???靴はどうしたら?」

医療スタッフが不思議そうに私の顔を見つめながら、

「靴はそのままで大丈夫ですよ。」

と言った。


ようやく診察台に腰をおろし、医師が来るのを待つ私。


でも、思うように口が開かず、うまく喋れない。


なぜだ?


白色が眩しすぎるくらいで、目の前はかすんでいる。


私は夢を見ているのだろうか?


一体何がどうなっているんだ?


病院の会計を済ませ、外に出る。一気に意識が鮮明になっていく。


──この病院、何かがおかしい。。。


そう思うのは、私だけだろうか?


ひとついっておくなら、脳ドッグ受けたが異常はなかった。


白色が怖い。


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