路輪一人
文芸・その他ノンジャンル
2025年07月15日
公開日
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連載中
VOODOO ― ヴードゥー ―
“幸福になりたい奴から死んでいく”
都市の最下層に広がる巨大スラム〈フラッフィーマンション〉では、新種麻薬《VOODOO》が静かに蔓延していた。
それはかつて戦地で使われた、帰還兵用の精神安定剤オキシフィンをベースに、人間の脳内物質を抽出して作られた“幸福の結晶”。
服用すれば、記憶も痛みも、罪さえもすべて溶ける。ただし、最後にはゾンビになる。
若き女性記者・ミナは、一人の中毒者の死をきっかけに、VOODOOの核心を追う。
彼女の前に現れるのは、元ロックスターであり、スラムの“神”と化した男・ギーガー。
軍、ギルド、宗教、政財界――
あらゆる権力が交錯するこの都市で、
彼女は「幸福とは何か」「正義とは誰のものか」と向き合うことになる。
VOODOOをめぐる、地獄と救済の黙示録。