俺はぼっちのひき廃ですが、弟にはその道を歩ませたくありません!
猫宮乾
ゲームVRゲーム
2025年07月17日
公開日
4.9万字
連載中
十歳でVRMMORPGである『グランギョニル・パラダイス』のβテストをはじめ、現在二十七歳の俺(ゼクス)。完全にヒキコモリの廃ゲーマーである。
仕事は、ゲーム内の武器やアイテムをデザインしているので、所謂VRゲームデザイナーを名乗っているが、その作業はVR上で行うしゲーム内で可能なので、仕事というより、そちらもゲーム内で生産活動をしているようなものだ。
数少ないフレンドは褒めてくれるが、本当にフレ自体の数は少なく、また、ギルドにも入っていないようなものだ。気づいたら、ゲーム内でも一日誰ともチャットをしない場合が多く、ぼっちになってしまった。元々友達が欲しくてゲームを始めたはずが、リアルでもぼっち、ゲーム内でもほぼぼっちである。
そんなある日、一人暮らしの俺の家に、異母弟が引っ越してくることになった。
弟には、ひき廃ぼっちとバレたくない。
そう思っていたら、弟もVRMMORPGを、それも『グランギョニル・パラダイス』をやっていた。そして俺に言う。
「今、ゲームで忙しいんだ。話しかけないでくれ!」
ご飯にも降りてこない……。
これではダメだ。異母弟まで俺と同じように、青春をゲームで潰してしまう。
俺は十七歳の異母弟に、人間らしい生活を送ってもらいたい! と、数少ないフレに愚痴るなどしつつ、結局今日も俺は、結局VRMMOにログインしている……。とりあえず、新しいフレを増やそう、いつか異母弟に紹介する日が来ちゃうかもしれないのだし!
※兄&異母弟の日常と、VRMMO内での悲喜こもごもな日常のお話です。