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第2話 処方箋

世界には、自分に似た顔の人が3人いると言われています。

まして、同姓同名ならば何人も居るのは珍しくは無いでしょう。しかし、偶然は何事も無く静かにやってきました。


今から 30年ほど前話となります。

会社の組合の関連で 仲間数人と品川Pホテルに宿泊した時の出来事です。


当時の私は、地方の農村地域に住んで居た為、東京のホテルが珍しくて、すっかりお上りさんになっていました。

ホテルの隅々まで開けては、中を確認する興奮状態。

備え付けの引き出しを開いた事からこの不可思議が始まりました。

中には少し黄ばみ掛かり 折り畳まれた白い袋1つ有ります。


ホテルに似つかわしくない袋は、薬の処方箋で有り、表紙に書かれた表示は、


処方者   前田 和夫

患者名   前田 和男

そして私の名は  

      前田 一雄


全て名前の漢字が一字違いの 同姓同名だったのです。

こんな偶然は、有るのでしょうか?

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